◎地域便り


既存の施設を創意工夫で、 有効利用

北海道/田中 義春

 北海道の釧路管内改良普及員畜産部会は、 既存の施設を最大限利用しようと事

例集 「私の太鼓判」 を作った。 酪農家の試行錯誤や創意工夫によるコスト低減の

実践を、 日ごろの普及活動で収集した。 



 貴重な資料を何とか地域に波及させようと、 部会員が2年間かけて、 施設・改

良用具・機械・環境の4部門で104事例を集めた。 今すぐに取り入れられるもの

から、 プロ顔負けの施設まで、 紹介されている。 



 古くなった肥料散布機を輪切りにして給餌台にしたもの。 ラップサイレージの

フィルムにアニメの絵を描いたもの。 牛舎への鳥類侵入を防止する工夫をしたも

の。 パドックに屋根付きのストールを作ったもの。 使わなくなったラウンダー 

(牛をつないでぐるぐる歩かせる機械) をブランコにしたものなどもある。 



 製作時期や費用・必要資材はもちろん農業者がなぜ取り組んだのかが示されて

いる。 また、 写真と設計図が載せられ、 誰でも参考にできるようにレイアウトさ

れている。 



 海外から技術が次々と入ってきているが、 実は身近なところにもアイディアは

たくさんある。 新規に投資をするのではなく、 今ある施設機械などの有効活用を

強く示唆している。 



 冊子は農業改良普及センターを中心に各関係機関へ配布され、 有効に活用され

る予定となっている。 




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