◎地域便り


マニュアバッグでふん尿処理

北海道/松田 修

 北海道釧路町の神牧場は、 フリーストールによる成牛100頭規模の酪農経営。 

国立公園の釧路湿原に近く、 さらに住宅街が近くまで迫ってきているので、 ふん

尿処理に真剣に取り組んでいる。 



 神牧場では、 畜産公害対策と自給肥料への有効活用を考え、 「マニュアバッグ」 

と 「ふん尿固液分離」 による処理システムを取り入れている。 



  「マニュアバッグ」 はオランダ製で、 日本で初めて平成6年に導入したもの。 

バッグの素材は、 テント地のような素材であるが、 ジープが乗っても破れないく

らい丈夫である。 このシステムは、 スラリーをピットからポンプで圧送し、 丸ご

とバッグ詰めするため、 雨水の侵入やスラリーの流出、 悪臭の発散などを完全に

防止できる。 



 バッグの容量は1, 500m3で、 固液分離したスラリーを6〜7カ月分貯溜 (成牛

100頭規模) することを想定している。 



 また、 「ふん尿固液分離」 には、 ローラー方式の一般的なふん尿固液分離機を

使う。 この機械は、 平成7年に導入され、 ふん尿を自給肥料として有効に活用す

るため、 十分な熟成をさせるねらいがある。 固液分離することにより、 固形部分

は発酵のための好条件が確保され、 急速に自然発酵し、 熟成したたい肥となる。 



 ピット内の液状部分は、 スラリーに比べ曝気が容易に進み発酵熟成が早い。 さ

らに、 バッグ内の貯溜期間を延長することができ、 熟成が完全になる。 



 事業費は、 マニュアバッグ (ピット工場等を除く)、 アジテータ (かくはん機)、 

ポンプ、 ミキサーの一式で9, 550千円。 「ふん尿固液分離」 は、 セパレーター(固

液分離機)、 ポンプ一式が4, 000千円である。 ただし、 セパレーターについては

実演機であったために約半額で導入された。 





【ジープが乗っても破れません】
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