◎地域便り


独創のゆとり経営を

北海道/金田 光弘

 独創のゆとり経営を生み出している事例に学ぼうと、 北海道釧路支庁の浜中町

で2月9日、 実践事例発表会 (JA浜中町主催、 釧路東部地区農業改良普及センタ

ー後援) が開かれ、 85名が参加した。 



 この発表会は、 浜中町の酪農経営支援システム (農作業受委託、 酪農ヘルパー、 

乳検、 土壌分析、 育成牧場) を自己の経営状況に応じて、 選択、 活用し、 独創の

ゆとり経営を生み出した事例を、 他の酪農家の参考にしてもらうのが狙いである。 

本年から始めたもので、 今回のテーマは、 「見つけた、 ゆとりの家族」。 



 この発表会では、 3つのタイプのゆとりを成功させた酪農家夫婦に、 家族の役

割分担、 管理方法、 牛群の能力、 利益についてそれぞれ発表してもらった。 



 酪農家の3つのゆとりとは、 



(1) 時間のゆとり

 飼養規模を拡大したが、 労働が過重となり、 従来の作業体系では十分な管理が

  できず、 収益が向上しなかった。 そこで、 サイレージ調整を委託、 ゆとりの時

  間を作り出した。 



(2) 心のゆとり

 繁殖成績が低下、 所得が下がった。 そこで、 乳検成績を活用、 目標の空胎日数・

  受精回数を達成、 家庭が明るくなった。 



(3) お金のゆとり

 教育費などで支出が多くなる割には、 収入が伸び悩む。 こんな時、 支出 (肥料

  費、 飼料費、 財産的支出、 家計費) のマンネリズムから脱出するために、 土壌

  診断、 乳検、 飼養管理を総点検し、 改善策を立てて実践、 営農計画以上の所得

  を獲得した。 



  出席者は、 夫婦、 婦人が多く、 「とてもわかりやすい話で良かった」、 「地域内

で実践している内容で勉強になった」 「来年も続けてほしい」 などの感想が聞か

れた。 




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