◎地域便り


ネイチャーゲームで自然とふれあう

群馬県/宮崎 美伯

 群馬県の東部にある邑楽 (おうら) ・館林地区で野外活動プログラム 「ネイチ

ャーゲーム」 の人気が高まっている。 



 このゲームは今から17年前に米国のナチュラリスト、 ジョセフ・コーネル氏が

考案し、 自然を直接体験することで自然と自分が一体であることを認識すること

を目的としている。 同地区では日本ネイチャーゲーム協会公認の指導員が十数人

おり、 徐々に活動の場を広げている。 



 このゲームは1) 知識や年齢に関係なく参加でき、 2) 町内の公園などでも手

軽にでき、 3) 大人と子供が一緒に楽しめるなどの特徴をもっている。 木の葉を

使ったカルタ取りや、 落ち葉の中に体を埋めて顔だけ出す 「大地の窓」 など、 認

定されているゲームは105種類ある。 



 例えば、 学校の遠足や週末旅行で牧場に行ったとしよう。 搾りたての牛乳を飲

んだり、 バーベキューを食べたりするだけでなく、 虫眼鏡や小型顕微鏡を持って

屋外に出てみよう。 そこには、 不思議な世界が待っている。 



 牛のふんを餌にしている昆虫や、 土中に隠れている微生物等、 普段気にも留め

ていない生き物がたくさん生存しているのが簡単にわかる。 自然を美しいとか、 

きれいと思うだけでなく、 「人間も自然の一員だ」 ということに気がつくだろう。 



 日本にこのゲームが紹介されてからまだ十年ほどであり、 現場ではまだまだ不

安や戸惑いが多くみられ、 試行錯誤が繰り返されているが、 今後は地域に合った

ゲーム内容を充実させる必要がある。 また指導する側も保母さんや学校の先生の

ボランティア的な活動に負うところが大きいので養成講座も設けられている。 企

業や学校の週休二日制が進む中で、 もっと自然に接する機会を増やし、 身近な自

然教育環境の場を提供することが、 畜産関係者にも求められているのではないだ

ろうか。 




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