◎地域便り


離島に家畜死体焼却処理施設が完成

鹿児島県/宝 正己

 鹿児島県の沖永良部 (おきえらぶ) 島及び与論 (よろん) 島に、 畜産振興補助

事業 (地方競馬全国協会の補助事業) により家畜死体焼却処理施設 (死亡獣畜処

理モデル施設) が3月末に完成した。 



 両島は、 山のない隆起珊瑚礁からなっているため、 この施設ができる以前は、 

少ない私有地の片隅に埋却処理した家畜死体により、 飲料水である地下水が汚染

されるのではないかと懸念されていた。 さらに、 肉用牛飼養頭数の増加に伴い、 

肉用牛の死亡・流産などが増加し、 家畜死体による地下水汚染がいよいよ深刻化

し、 両島の畜産振興のためにも家畜死体焼却処理施設の整備が長年の懸案となっ

ていた。 



 今回完成した家畜死体処理施設は、 成牛1頭丸ごと焼却できる焼却炉とそれを

収容する建物からなり、 事業費は約3, 800万円で、 地方競馬全国協会から1/3、 

鹿児島県から1/3の補助を受け、 残り1/3を地元町・農業協同組合が負担した。 



 3月19日に与論島で行われたしゅん工式では、 農家代表の方から 「この施設の

完成により、 長年の懸案であった地下水汚染問題が解決されることとなるが、 願

わくば計画よりも利用実績が低くなることが畜産振興につながるため、 この施設

を畜産振興の守り神 (安心の支え) として飼養管理の徹底に努めたい」 とのあい

さつがあった。 当施設の完成を喜ぶとともに畜産振興に励む気運がみなぎってい

た。




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