◎地域便り


セリ市で話題、 子牛の四つ子

宮崎県/福吉 典子
 宮崎市の宮崎郡市畜連家畜市場で9月10、 11日に開かれた子牛セリ市で四つ子
の子牛が登場し、 話題を呼んだ。 

 宮崎市村角町の大田原隆さん所有の 「りさ」 号から平成7年10月28日に生まれ
た子牛たちである。 「はるみ」 「さおり」 「なつこ」 「ゆり」 とそれぞれ名付けられ
た雌の子牛たちのうち、 3頭は今回のセリ市での雌の平均体重約290kgを超える
までに大きく成長し、 雌の平均価格38万円を上回る価格で取引された。 4頭とも
11カ月齢でセリに出荷され、 4頭合計153万円で三重県の購買者に競り落とされ
た。 

  「1頭目が生まれたとき小さいなと思った。 まだ生まれそうだと待っていると
4頭も生まれたので、 びっくりしました」 と隆さんは分娩の様子を振り返る。 新
生牛は27〜28kgあるのが通常だが、 四つ子は当時1頭12〜13kgしかなかった。 

 大田原さん夫婦は寒い日には牛舎にネットやビニールをかけて風を防ぎ、 暖か
い日には日光浴をさせるなど、 我が子同然に育ててきた。  「何十年と牛を飼って
いますが、 こんなことは初めてです。 大変手がかかりましたが、 毎日よく食べて
くれたので、 一日一日すくすく育ってくれました」 と奥さんの節子さん。  「複数
産まれるとたいてい1頭ぐらいは手がまわらなくて死んでしまうが、 セリに出ら
れるまですべてが無事育つのはめずらしい」 と関係者は話す。 大田原さんは 「こ
れからも4頭が同じ所で育っていくのでホッとしました。 ようやく楽になります」 
と四つ子の体をなでていた。



【四つ子の子牛と大田原さん夫妻】


元のページに戻る