鹿児島県/上村 利久
鹿児島県の徳之島は鹿児島市から約500キロ南方に位置し、 亜熱帯性の温暖な 気候のもと豊富な草資源を活用し、 現在7,300頭の繁殖雌牛が飼養されている。こ の徳之島で繁殖経営を営む11戸の多頭飼育農家 (平均飼養頭数40頭、 平均年齢40 歳) が、 パソコンによる経営管理に取り組んでいる。 パソコン管理のきっかけは、 天城町の三島卓さん (60歳) のおいが繁殖掲示板 で牛の管理を行っている様子を見て、 「パソコンで管理したら簡単」 と 「分娩予 定表」 と 「種付予定表」 が出力できるソフトを開発してくれたことから始まった。 その後、 徳之島農業改良普及所がソフト会社の協力により、 三島さんのソフトに その他の処理機能を加え、 他の農家も活用できるよう改善し、 パソコンによる肉 用牛管理のグループ研修が開始された。 ソフトの内容及び特徴は、 母牛台帳を基準に、 子牛のせり情報と種付情報の入 力により、 「生産牛一覧表」 「分娩予定表」 「子牛一覧表」 「種付予定表」 などの処 理ができることにある。 特に、 種付予定と分娩予定がカレンダーで表示される 「種付・分娩暦」 は作業計画等を立てるうえで役立っている。 また、 市販ソフト の場合はほとんどがキーボード入力のため操作しにくい面があるが、 このソフト はキーボード操作を最小限におさえ、 マウスにより画面を見ながら操作できるGUI (グラフィカル・ユーザー・インターフェイス) システムであり、 書類に記入す る感覚で簡単かつスピーディーなデータ管理が可能となっている。 全体研修や個別研修を通じて農家のパソコン操作技術は向上してきており、 今 後は、 繁殖成績等の技術指標に対して自己の水準を点数化する処理機能を加える など、 さらに経営管理に役立つソフトに改善しながら、 経営の安定と飼養頭数の 拡大を図ることにしている。 【簡単かつスピーディーにデータ管理のできるソフト】 【パソコンによるグループ研修】元のページに戻る