愛媛県/篠永 真二
愛媛県牛乳普及協会の主催で、平成8年9月8日、松山市の愛媛調理師専門学校 を会場に「平成8年度牛乳乳製品利用料理コンクール愛媛県大会」が開かれた。 このイベントは、牛乳及び乳製品の消費拡大を目的に、一般家庭の主婦等の独創 的なアイデアによる牛乳・乳製品を使った美味しい料理法を競うもので、牛乳乳 製品消費拡大対策事業の一環として実施されている。 当日は、県下128名の応募者の中から、厳正な書類選考で選ばれた"料理の鉄人"1 0名が集まり、それぞれの自慢料理を披露した。 コンクールは、和やかな雰囲気の中にも制限時間の中でバトルの様相も呈し、ス タートと同時にプロ顔負けの包丁さばきや、牛乳、チーズ等の意外な調理法がたく さん見受けられた。会場は心地よい香りに包まれ、いかにも牛乳・乳製品利用料理 コンクールらしい雰囲気であった。 料理の出来映えは、松山市でフランス料理店も経営する日本司厨士会愛媛県本 部参事の門田征吾さんをはじめ調理師学校の先生等により、「独創性」、「味覚」、「普 及のし易さ」、「牛乳・乳製品の使用状況」等を中心に審査が行われた。最優秀料理 を受賞したのは、松山市代表の浜田妙子さんの「ミルク団子のジャコ衣揚げ」であ った。この料理は、魚のスリ身と適度に使用された牛乳の味覚が絶妙に溶け合った 作品で、色彩や盛り付けも素晴らしく、そして何より手軽で普及性をも兼ね合わせ た料理であることが高く評価された。来る10月27日、大阪において開催される全国 大会に愛媛県代表として出品される。 そのほか、とろけるチーズと牛乳を使用した「みそ入りスープ」やプロセスチー ズを使った「クリームおこわ」、牛乳とチーズを使った「鰯の団子」等、いずれもアイ デアいっぱいの料理で甲乙付け難い作品ばかりであった。 最近、景気の低迷、消費者の好みの多様化による他飲料との競合激化を背景に牛 乳・乳製品の消費は伸び悩んでいるが、このような消費者サイドへの積極的なア ピールこそが、今後の消費拡大につながっていくものと思われた。 【プロ顔負けの包丁さばきや、意外な調理法が見受けられた】元のページに戻る