企画情報部情報第一課
本調査は、 変化する牛乳・乳製品等の消費動向を的確に把握するため、 農畜産 業振興事業団が、 社団法人食品需給研究センターに委託して実施している。 四半 期毎の 「牛乳等の小売価格実態調査」 と年1回の 「牛乳・乳製品等の消費動向調 査」 からなり、 昭和56年度以降毎年度続けている。 ここに、 その概要を紹介する。
(1) 調査対象 札幌、 東京、 名古屋、 大阪及び福岡の5地区のそれぞれ200世帯、 計1,000世帯。 (2) 調査事項等 1)牛乳等の小売価格実態調査−4半期に1回、 年4回実施 牛乳等 (牛乳、 加工乳、 乳飲料) に関する種類別の小売価格、 購入数量、 購入 方法等 2)牛乳・乳製品等の消費動向調査−年1回実施 ・牛乳、 加工乳に関する種類別の購入状況及び今後の消費意向等 ・牛乳の料理における利用状況 ・乳製品 (はっ酵乳、 チーズ) の購入状況及び今後の消費意向等 (3) 調査方法 調査員が調査票を調査対象世帯へ配布し、 1週間留置き記入後、 回収 (4) 取りまとめ上の区分について 本調査においては、 牛乳等に関する区分について便宜上、 次のとおりとしてい る。
(1) 牛乳等の小売価格実態調査 1)牛乳等の購入状況 年度内4回の調査対象期間に牛乳等を購入した延べ3,975世帯の87.4%が「普通 牛乳」 を購入し、1,000ml紙容器入りを購入した世帯は牛乳等購入世帯の81.3%で あった。 「加工乳A (主に低脂肪乳)」 の購入世帯は19.6%と前年度より2.1ポイン ト増えており、 「加工乳B (主に濃厚型加工乳)」 の購入世帯は4.3%と前年度より 1.0ポイント減であった。 (図1) ◇図1:牛乳の種類別購入世帯割合◇ 2)牛乳等の購入先 牛乳の種類別に見ると、 普通牛乳の購入量は 「量販店」 (66.3%) が最も多く、 次いで 「集団購入」 (17.5%)、「コンビニエンスストア」 (7.3%)、「家庭配達」 (5. 1%) の順。 加工乳Aの購入量は、 「量販店」 (78.5%) がきわめて高い割合を占め ているが、 加工乳Bでは 「家庭配達」 (54.3%) が最も高く、普通牛乳や加工乳Aと は明らかに違った傾向を示している。 (表1) 表1 1世帯1週間当たりの牛乳等購入先別購入量構成比(年度平均) 注:調査時期(年4回)平均である。 3)牛乳等の購入数量 1世帯1日当たりの牛乳の平均購入数量 (年度平均) は566.8mlであり、その内 訳は 「普通牛乳」 が479.4ml (84.6%)、 「加工乳A」 が73.8ml (13.0%)、「加工乳B」 が13.6ml (2.4%) であった。 (表2) 表2 1世帯1日当たり牛乳購入数量 4)牛乳等の購入価格 1,000ml当たりの牛乳等の購入価格 (消費税込み)の調査時期別推移は図2のと おりである。 4回の調査の平均価格は、 高い順に、 加工乳Bが327.79円、ロングラ イフミルクが241.82円、 乳飲料が212.74円、 普通牛乳が202.79円、 加工乳Aが160. 10円であった。 (図2) ◇図2:牛乳等1,000ml当たりの購入価格◇ (2) 牛乳・乳製品等の消費動向調査 1)牛乳消費に対する今後の意向 「今までのままでよい」 が最も多く、 普通牛乳で84.2%、加工乳Aで90.4%、 加 工乳Bで97.2%となっている。 昨年度に比較し、 「増やしたい」 というものが普通 牛乳では1.3%、 加工乳Bでは1.5%減っているのに対し、加工乳Aでは0.9%増えて いる。 (図3) ◇図3:牛乳消費の今後の傾向◇ 牛乳を 「増やしたい」 理由は、 普通牛乳では 「健康によいから」 (88.5%)が最 も多く、 次いで 「子供が大きくなったから」 (24.5%)、 「おいしいから」 (16.5%)、 「料理に必要だから」 (13.7%) の順。 加工乳Aでは 「健康によいから」(96.6%)に 次いで 「価格が安い」 (17.2%) が、 加工乳Bでは一番に 「おいしいから」(68.4%) があげられている。 2)牛乳の購入基準 普通牛乳では 「日付」 (81.0%) が最も多く、 次いで 「価格」 (42.8%)、 「銘柄 (ブランド)」 (32.5%) となっている。 加工乳においても同様の傾向で、大半の消 費者はこの3点を購入の基準としているといえる。 (図4) ◇図4:牛乳の購入基準(複数回答)◇ 3)ヨーグルトの購入理由 「健康によい」 (80.9%) が圧倒的に多く、 次いで 「おいしい」 (44.0%)、 「栄 養がある」 (26.2%) 等となっており、消費者の健康志向が購入の主な理由となっ ていることがうかがえる。 (図5)。 ◇図5:ヨーグルトの購入理由◇ 4)チーズの主な用途と主に利用するチーズの種類 家庭でのチーズの用途は、 「パン食用」 (46.7%) が最も多く、 次いで 「料理用」 (41.6%)、 「おつまみ用」 (35.0%)、 「ピザ用」 (28.0%) 等となっている。 (図6) ◇図6:チーズの用途◇ よく利用するチーズは、ナチュラルチーズでは、ピザ用に使われる 「シュレッド」 (43.9%) が最も多く、 次いで 「カマンベール」 (35.4%)、 「パルメザン」(35.0%)、 「クリームチーズ」(31.2%) 等となっている。 プロセスチーズでは「とけるタイプ」 (64.1%) が最も多く、 次いで 「スライス」 (49.3%)、 「ポーションタイプ」 (30. 1%)、 「粉末タイプ」 (23.6%)、 「カルトンタイプ」 (22.6%)等があげられている。 (図7) ◇図7:主に利用するチーズの種類◇ <お問合せ先> 農畜産業振興事業団 企画情報部情報第一課 担当:武田 電話 03−3582−3381 (内線686) FAX 03−3584−1246 ※報告書をご希望の方は、 FAXでお申し込みください。 ただし、 部数に限りがあります。
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