◎地域便り


「糸隆安」 号 全国トップ級の高成績−脂肪交雑3.2

宮崎県/今西 一文


 平成5年に北諸県郡三股町の下石義広さんによって生産され、 現在、 宮崎県家
畜改良事業団が飼養管理を行っている黒毛和種種雄牛 「糸隆安」 号が、 間接検定
において、 平成8年度では全国2位の脂肪交雑3.2の高成績を収めた。 間接検
定は、 種雄牛の候補を複数の雌牛と交配させ、 その子牛を全国統一の方法で1年
間肥育した後、 枝肉の肉量、 肉質を調査し、 その種雄牛の遺伝的産肉能力を間接
的に評価するものである。  「糸隆安」 号については平成8年2月16日から平成9
年2月14日まで検定材料となる9頭の子牛を同事業団で肥育し、 平成9年2月19
日に枝肉調査を行った。 その結果は表1のとおりである。 

表1:

 注)全国の数値は、平成7年4月から平成8年3月末までに終了した92セット
   の平均値

  「糸隆安」 号の父は、 増体と肉質で定評のある 「糸弘2」 号、 母は名牛 「隆美」 
号の娘 「たま」 号である。 

 この母牛 「たま」 号は都城地区の繁殖母牛の中でも育種価 (遺伝的評価法によ
り産肉成績を数値化したもの) がトップクラスであることが知られており、 その
能力を活用して種雄牛を作出しようと関係者は取り組んできた。 

 今後、  「糸隆安」 号は県下で本格的に供用され、 質量兼備の優秀種雄牛として
幅広い活躍が期待される。 


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