豚 肉

豚 肉

◇図1:豚肉の生産量◇


8月−65,720トン (▲1.3%) 

・3カ月ぶりに前年同月を下回るが、 4〜8月の累計では、 1.4%増とわずか
 ながら増加傾向

・と畜頭数も、 1,270千頭 (▲1.9%) と、 3カ月ぶりに前年同月を下回
 るが、 4〜8月の累計では、 1.0%増

・平均枝肉重量 (全国平均) は、 73.9kg/頭 (0.5%) と5月を除き、 
 昨年7月から連続で前年同月を上回って推移

肉豚生産出荷予測

 資料:農林水産省畜産局「肉豚生産出荷予測」(平成9年9月30日公表)


◇図2:豚肉の輸入量◇


8月−69,652トン (145.0%) 

・7月からのSG解除と8月の関税減免措置等から、 SG発動で激減した前年同
 月を大幅に上回る

・冷蔵品は、 テーブルミート用の一定需要から、 台湾産の輸入禁止措置による不
 足分を米国産、 カナダ産、 韓国産等が補いつつ、 前月と同程度の10,950
 トン (▲30.8%) 

・冷凍品はSG解除で輸入が進み、 58,702トン (365.5%)、うちEU
 産は37,618トンと冷凍品全体の64.1%を占めて台湾産の不足を補い、 
 SG発動で激減した前年同月を大幅に上回る


◇図3−1:米国からの豚肉輸入量◇

◇図3−2:デンマークからの豚肉輸入量◇


8月の米国産−16,097トン (78.6%) 

・冷蔵品は、 台湾産の代替需要等から8,273トン (22.9%) と引き続き
 大幅に上回り、 国別シェアでは75.6%

デンマーク産−28,083トン (6,038.3%) 

・冷凍品のみで、 7月からのSG解除により輸入が進み、 SG発動で激減した前
 年同月を大幅に上回る


◇図4:豚肉の推定出回り量◇


8月−116,432トン (▲3.5%) 

・輸入品は、 49,792トン (▲9.3%) と6カ月連続で前年同月を下回る

・国産品は、 66,640トン (1.3%) と生産の増加傾向等から4カ月連続
 で前年同月を上回る


◇図5:豚肉の家計購入量 (1人当たり)◇


8月−370g/人 (▲3.0%) 

・昨年落ち込んだ牛肉が前年同月をかなり上回ったのに対し、 量販店の特売実施
 率の低下等から、 前年同月を下回る

・7月の加工仕向肉量は、 34,286トン (▲5.6%) と、 前月は11カ月
 ぶりに前年同月を上回ったが再び下回る

・国産品は、 9,783トン (▲9.5%) と、 台湾産の代替需要等から5月、 
 6月と連続して前年同月を上回ったのを除き、 7年1月から前年同月を下回っ
 て推移


◇図6:豚肉の推定期末在庫量◇


8月−181,707トン (▲28.2%) 

・SG解除や関税減免措置等から輸入が増え、 前月より約1万9千トン増加
・しかし、 SG発動直後で高水準であった前年同月の約7割


◇図7:豚肉の卸売価格 (東京・省令) ◇


8月−539円/kg (▲4.1%) 

・牛肉の需要の伸びや関税減免措置の影響等から、 旧盆前に1日600円を超え
 ただけで、 500円台での推移、 前年同月をやや下回る

9月 (速報値)−494円/kg (▲0.8%) 

・出荷頭数の増加等から、 例年の傾向と同様に、 月末にかけて400円台前半ま
 で下げる


◇図8:国産豚肉の仲間相場 (冷凍品) ◇


8月冷凍品 「うで」−457円 (▲2.2%) 
  同   「もも」−492円 (▲12.5%) 

・うでは、 台湾産の輸入禁止措置直後の4月に前年同月を上回ったのを除き、 8
 年10月から連続で下回って推移

・ももは、 11カ月連続して前年同月を下回る


◇図9:輸入豚肉の仲間相場 (冷蔵品) ◇


8月米国産 「ロース」−921円/kg (7.5%) 

・台湾産の代替需要等から引き続き堅調
・7年10月以来23カ月連続で前年同月を上回って推移


◇図10:輸入豚肉の仲間相場 (冷凍品) ◇


8月デンマーク産 「ばら」−648円/kg (9.1%) 

・2月以来7カ月連続して前年同月を上回って推移
・しかし、 4月をピークに価格は低下



トピックス
変化のない豚肉の消費構成割合

◇図11:食肉の消費構成割合◇

◇図12:畜産物の1人1年当たり消費量◇


 このほど、 農林水産省畜産局は、 平成8年の 「食肉の消費構成割合」 を発表し
た。 

 平成元年以降の変化で特徴的なのは、 牛肉が、 「家計消費」 と「加工仕向」 の割
合が減り (図11)、 「その他 (業務用・外食用)」 が増え、 鶏肉は、「家計消費」と
「その他」 が減り、 「加工仕向」 の割合が増えていること。 また、 牛肉と鶏肉の1
人・1年当たりの供給純食料は、 程度の差はあれ平成元年度以降は増加傾向 (牛
肉は平成8年度はO−157等の影響で減少) にあり (図12)、消費の拡大とと
もに消費形態の変化が進んでいることがわかる。 

 これに対し、 豚肉の消費構成割合は 「家計消費」 が40%、「加工仕向」 が31
%、 「その他」が29%と平成元年以降、 ほとんど変化がみられない。 また、 豚肉
の1人・1年当たりの供給純食料は平成元年度以降は11.4〜11.5kgで
横ばいで、 牛肉、 鶏肉の増加傾向とは様相を異にしている。 

 現在、 黒豚等が話題を集めているが、 それは豚肉の中の選択肢の1つであり、 
豚肉全体の消費拡大のためには、 新たな調理法の提案や新製品の開発も必要と思
われる。 


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