◎地域便り


1,200人が米沢牛に舌鼓

山形県/佐藤 賢二
 「米沢牛肉まつり」が8月6日夕方より、 山形県米沢市の松川河川敷公園で開か
れ、 約1,200人が脂の乗った米沢牛のすき焼きを味わった。 米沢牛の美味し
さを実感してもらい、 併せて消費拡大と振興を図る目的で米沢市農業まつり実行
委員会が主催しており、 今年で17回目となる。 

 米沢牛の歴史は古く、 明治8年、 米沢県学校 (現在の米沢興譲館高等学校) の
イギリス人教師チャールズ・ヘンリー・ダラスが横浜の居留地に戻るとき、 和牛
肉を持ち帰り、 イギリス人の仲間に食べさせたところ、 その食味に驚き大好評を
得たことが始まりとされる。 

 明治中頃には、 横浜の問屋と特約し販売したところ好評を博し、「米沢牛」 が広
く世間に知られるようになった。 明治32年の奥羽本線の開通を機に、 貨車積み
により、 牛肉店発祥の地、 横浜に大量に出荷され、 このことが 「米沢牛」 の銘柄
を確実なものにしたと言われている。 

 現在、 山川おきたま和牛改良組合が中心となり、 育種価 (アニマルモデルによ
る遺伝的評価値) に基づき、 改良と肥育技術の平準化を図り、 置賜生まれで置賜
育ちの純粋の 「米沢牛」 作りを行政、 農業団体、 農家が一体となって積極的に進
めている。 

 今回の牛肉まつりに提供された牛は2頭とも格付けA−5の雌。 米沢牛はなん
といっても肉の中に網の目のように入り込んだ脂肪、 いわゆる 「霜降り」 がきめ
細かいことと脂肪の質が非常に良く、 脂にうまみと香りがあり柔らかいのが特徴
とされている。 

 7月市内で発売したチケットはすぐに売り切れる人気ぶりだった。 訪れた人た
ちは設営されたテントの中ですき焼き鍋を囲んで、 米沢牛を味わい、 「おいしい」 
と笑顔。 ビールで喉を潤し、 川風をうけながら米沢牛を堪能した。 


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