◎地域便り


繁殖和牛の改良基地がリニューアルオープン

愛知県/吉田 眞


 愛知県は平成 7 年度から 9 年度において、東加茂郡下山村にある三河高原牧
場の種畜供給能力の拡充を図るため、約6億円をかけて畜舎、管理棟等の整備を
実施し、平成10年4月にリニューアルオープンした。今年は、夏場を中心にして
多くの観光客が訪れ、牧場は家族連れやカップルでにぎわった。

 三河高原牧場の公式名は、「畜産総合センター大林牧野」であったが、地元で
は古くから一貫して三河高原牧場と呼ばれてきた。総面積は25.8haあり、明治時
代から種馬育成、戦後はめん羊飼育が行われてきたが、昭和29年に下山村から県
に移管されてからは、本県唯一の繁殖和牛の改良基地として優良和牛生産等の業
務が行われてきた。そして、今回のオープンを期に、名称を「三河高原牧場」と
し、看板等も全面的に作り換えた。

 三河高原牧場には種雌牛が約30頭飼養されており、生産された子牛は県内の和
牛生産改良組合へ譲渡されている。また、和牛受精卵の採取も行われており、受
精卵は県内酪農家へ年間約140卵供給されている。

 これらの牛のほとんどが、毎日放牧されており、牧歌的な風景を作り出してい
る。この他にも約30頭の子牛、育成牛が見学者に見えやすいようにパドック等で
飼養されている。

 施設整備に当たっては、当牧場がキャンプ場に隣接する等、観光地域に立地す
ることから、周辺環境に配慮した畜舎構造、色彩とするとともに、場内に遊歩道、
ふれあい家畜小屋等を配置している。

 高原牧場のさわやかな空気を吸いに一度遊びに来てみませんか。

 

【木を生かしたユニークな看板】

 

 
【牧歌的な赤い屋根の畜舎】

元のページに戻る