豚 肉

豚 肉


◇図1:豚肉の生産量◇


11月−77,652トン (▲2.5%) 

・市場開催日数が前年同月より少なかったこと、 9、 10月と2カ月連続で前年
 同月を上回った影響等から前年同月を下回る。 

・と畜頭数は、 1,457千頭 (▲1.6%)。 

・平均枝肉重量 (全国平均) は、 76.1kg/頭 (▲0.9%) と前月に続き前
 年同月をわずかに下回る。 

豚肉生産出荷予測

 資料:農林水産省畜産局「豚肉生産出荷予測」(平成9年12月25日公表)

 

◇図2:豚肉の輸入量◇


11月−32,190トン (2.6%) 

・在庫が十分にあることから、 SG発動下の前年同月をわずかに上回る程度。 

・冷蔵品は、 テーブルミート用の一定需要等から、 米国産、 カナダ産、 韓国産で
 約99%を占め、 合計9,613トン (▲18.9%)。 

・冷凍品は、 22,577トン (15.6%) とSG解除で急増した7月をピーク
 に漸減。 

・EU産が7,519トンと7月をピークに漸減し、冷凍品全体の約2割にシェア
 を縮める。 


◇図3−1:米国からの豚肉輸入量◇

◇図3−2:デンマークからの豚肉輸入量◇


11月の米国産−12,196トン (81.8%) 

・冷蔵品は、 価格優位性等から7,042トン (25.0%) と9年7月以降前年
 同月を大幅に上回って推移。 

・冷蔵品全体の7割を引続き維持。 

デンマーク産−6,037トン (1,444.0%) 

・SG解除で急増した9年7月をピークに輸入量は漸減。 
・9年度累計では、 17.8%増。 


◇図4:豚肉の推定出回り量◇


11月−132,389トン (▲2.2%) 

・国産品は、 77,268トン (▲2.9%) と生産量の減少を受けて9年4月以
 来7カ月ぶりに前年同月を下回る。 

・輸入品は、 8年12月以来11カ月ぶりに5万トン台の55,121トン(▲1.
 3%) となるが、 依然、 前年同月を下回って推移。 


◇図5:豚肉の家計購入量 (1人当たり) ◇


11月の家計購入量−414g/人 (0.8%) 

・家計購入量は、 小売価格が低下等から、 特売実施率が依然低いものの、 9年5
 月以来6カ月ぶりに前年同月をわずかに上回る。 

10月の加工仕向肉量−36,091トン (3.6%) 

・国産品は、 10,589トン (▲0.3%) と、 9年7月から3カ月ぶりに前年
 同月を下回る。 

・輸入品は3カ月連続で前年同月を上回る。 


◇図6:豚肉の推定期末在庫量◇


11月−146,342トン (▲21.4%) 

・7月、 8月と輸入量が激増したため、 10万トンを超えているものの、 SG発
 動で高水準であった前年同月を下回って推移。 

・在庫率 (在庫量/推定出回り量) は、 1.11カ月と減少傾向。 


◇図7:豚肉の卸売価格 (東京・省令) ◇


11月−370円/kg (▲7.0%) 

・家計消費はわずかに上回るものの、 10月の出荷頭数増、 冷蔵品輸入量増の影
 響、 1日当たりの出荷頭数が9万頭を超える日もあるなど、 高水準であったこ
 と等もあって、 300円台後半での推移となり、 安定基準価格を下回る。 

12月 (速報値)−483円/kg (5.2%) 

・年末・年始需給等から月初めより徐々に値を上げ、 月末には670円と高騰。 


◇図8:国産豚肉の仲間相場 (冷凍品) ◇


11月冷凍品 「うで」−419円 (0.5%) 
  同   「もも」−444円 (▲8.6%) 

・うでは、 7カ月ぶりに前年同月を上回ったものの、 価格は低下傾向。 
・ももは、 8年10月から連続して前年同月を下回って推移。 
・ヒレは、 8年5月以来18カ月ぶりに前年同月を下回る。 
・ロース、 ばらは、 前年同月を上回って推移。 


◇図9:輸入豚肉の仲間相場 (冷蔵品) ◇


11月の米国産 「ロース」 −739円/kg (▲5.6%) 

・7年10月以来24カ月前年同月を上回った後、 2カ月連続で前年同月を下回
 る。 

・9年7月をピークに価格は急激に低下。 


◇図10:輸入豚肉の仲間相場 (冷凍品) ◇


11月デンマーク産 「ばら」 −584円/kg (▲4.3%) 

・9年4月をピークに価格が低下する中で、 9年2月以来9カ月連続して前年同
 月を上回っていたが、 今月は下回る。 



トピックス
最近の豚肉の卸売価格について


 豚肉の卸売価格は、 9年3月に台湾において口蹄疫の発生が確認されたため、 
台湾産豚肉の輸入禁止措置がとられたこと等により、 3月末に卸売価格は高騰し
たが、 在庫が非常に高い水準にあったことから間もなく落ち着きを見せた。 5月
下旬になり、 需給がひっ迫するに従い卸売価格は再び高騰し、 7月にはセーフガ
ードが解除されたものの、 748円/kg(東京・省令規格。 以下同じ。) となる
など、 安定上位価格を超えて高騰が続いた。 

 このような状況の中で消費者価格の安定を図るため、 8月1日から31日まで
の間、 関税の減免措置が発動された。 

 この効果等から、 豚価は落着きを取り戻し、 9月に入ると前年と同じ傾向を示
して安定的に推移した。 しかし、 10月後半から卸売価格は低下し、 400円/
kgを下回る推移となり、 11月の平均価格は370円/kgと安定基準価格を
下回った (図11)。 

◇図11:週毎の卸売価格 (東京・省令) と出荷頭数 (全国)◇

 この要因として、 次のことが考えられる。 

1 季節的に見て、 豚価が低落する時期であること。 

2 9年10月の生産量は85,009トン (4.5%)、 出荷頭数は1,606千
  頭 (4.7%)と高水準であったこと (生産量が8万5千トンを超えたのは平
  成7年11、 12月以来である。)。 
  11月のと畜頭数は1,457千頭 (▲1.6%) と前年同月をわずかに下回
  ったが、 市場開催日が前年より少なかったこと等から、 1日当たりのと畜頭
  数は、 9万頭を超える日もあるなど、 月平均で約8万頭と高水準であったこ
  と。 

3 9年10月の冷蔵品輸入量は、13,555トンと、 6〜8月の1万トン台を
  大幅に上回ったこと (図12)。 

◇図12:冷蔵品輸入量と輸入価格 (CIF) ◇

4 9年7月にセーフガードが解除され、 7月、 8月と冷凍品の輸入が急激に増
  え、 加工用を中心に在庫が十分にあったこと。 

 しかし、 12月に入ると1日当たりのと畜頭数も落ち着くとともに年末向けの
需要等から一転して回復し、 平均価格は483円/kgとなった。 

 国内の母豚頭数は、 9年度に入りほぼ横ばいである。 台湾産豚肉の輸入が再開
されるまでは、 まだ時間を要するようであり、 また、 4月には基準輸入価格が引
き下げられる予定である。 そのような状況の中では、 国内の安定生産と計画的な
出荷とともにバランスのとれた輸入が行われることが重要となろう。 



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