牛 肉・肉用子牛

牛 肉


◇図1:牛肉の生産量◇


11月−33, 694トン (▲7.8%) 

・7年11月以降、 減少傾向続く。 
・9年度累計で、 4.4%減。 


◇図2:牛のと畜頭数◇


11月の和牛−57,835頭 (▲6.0%) 
    乳牛−59,938頭 (▲10.6%) 

・稼働日数が前年同月より少ないこともあり、 和牛、 乳牛ともに下回る。 
・和牛は、 母牛の飼養頭数が減少傾向にある中で、 9年度累計では1.5%増。 
・乳牛は、 減少傾向続き、 1割以上減少した前年同月を更に下回る。 


◇図3:牛肉の輸入量◇


11月−59,475トン (40.8%) 

・枝肉、 骨付き肉を除いて、 冷蔵、 冷凍とも全部位が、 前年同月を上回る。 

・前年減少した冷蔵品は、 需要回復もあり、 9年4月以降、 月間平均約2万8千
 トンの輸入量。 

・冷凍品は、 SG発動で激減した前年同月の約1.8倍、特に豪州産の伸びが大き
 い。 

輸入見込数量(事業団調べ)



◇図4−1:米国からの牛肉輸入量◇

◇図4−2:豪州からの牛肉輸入量◇


11月の米国産−29,046トン (39.9%) 

・冷蔵品は各部位とも数量を伸ばす、 冷凍品は 「かた、 うで、 もも」 分類の伸び
 が目立つ。 

    豪州産−27,986トン (43.3%) 

・前月約1万9千トンと増加した冷蔵品は、 再び約1万5千トン台と落ち着く。 
 加工用が主体の冷凍品は、 9年度累計で25.9%増と好調。 


◇図5:牛肉の推定出回り量◇


11月−88,928トン (1.0%) 

・国産品は、 前年同月を下回ったものの、 輸入品は上回る。 
・9年度累計では、 輸入品が1割近く伸び、 合計で4.7%増と着実に回復。 


◇図6:牛肉の家計購入量 (1人当たり)◇


11月−279g/人 (5.2%) 

・1割以上減少した前年同月比で5.2%増も、 2年前の同月をまだ下回る水準。 
・しかし、 9年度累計では4.5%増と着実に回復。 


◇図7:牛肉の推定期末在庫量◇


11月−100,498トン (▲8.7%) 

・SG発動で大きく増加していた前年同月を下回るが、 その減少率は徐々に縮小。 

・輸入量の増加で、 輸入品の在庫率(在庫量/推定出回り量) は、 1.62カ月と
 前月の1.39カ月よりも上昇。 


◇図8:牛肉の卸売価格 (東京・省令)◇


11月−1,104円/kg (▲4.0%) 

・前年同月を下回るが、 生産量の減少傾向、 国産品志向、 更に品揃えのきく大都
 市の市場に買いが集中していることもあり、 引き続き高水準で、1,100円台
 で推移。 


◇図9:牛肉の卸売価格 (和牛去勢・東京) ◇


11月のA5−2,462円/kg (5.2%) 

・8年度まで、 下げ傾向だったA5は、 9年3月以降前年同月を上回り、 引き続
 き堅調。 

    A3−1,657円/kg (6.9%) 

・A3も、 量販店の和牛取り組み強化等から、 引き続き堅調。 


◇図10:牛肉の卸売価格 (乳去勢・F1去勢、 東京) ◇


11月の乳去勢B2−701円/kg (▲11.2%) 
    F1去勢B3−1,375円/kg (4.2%) 

・乳去勢は、 高水準の前年同月を下回る。 
・F1去勢は、 市場での取引頭数が増えている中で、 需要は堅く、 価格も堅調。 


◇図11:輸入牛肉の仲間相場◇


11月の米国産冷蔵112Aリブアイロール−1,727円/kg(▲4.0%) 

・冷蔵品は、 チャックアイロールなど前年同月を下回る品目が多い。 

・冷凍品は、 チャックリブ、 ショートプレート等を中心に、 全般に前年同月を上
 回る。 

豪州産冷蔵グラス・フルセット−571円/kg (▲4.5%) 

・冷蔵品は、 需給がゆるみ、 全般に前月に引き続き前年同月を下回る。 
・冷凍品は、 トップサイド等が堅調。 


肉用子牛

◇図12:肉用子牛 (黒毛和種) の市場取引価格◇


11月の頭数−34,208頭 (▲0.4%) 

・母牛の頭数減少等から、 9年度累計で1.6%減とわずかながら減少傾向。 

11月の価格−376千円 (▲1.0%) 

・9年4月以降、 ほぼ36〜37万円台で推移。 9年4月以降おすに比べ、 めす
 の対前年同月低下率が大きい。 


◇図13:肉用子牛 (ホルスタイン) の市場取引価格◇


11月の子牛価格−116千円 (▲7.8%) 

・母牛頭数の減少、 F1生産の増加等から、 取引頭数は引き続き大幅減少。 
・価格は、 前年同月を下回っているが、 9年6月以降11万円台で安定的に推移。 

    ヌレ子価格−32千円 (▲30.0%) 

・前月よりも2千円上げる。 


◇図14:肉用子牛 (F1) の市場取引価格◇


11月の子牛価格−206千円 (▲0.8%) 

・枝肉価格好調だが、 子牛価格は8年3月以降20万円前後で推移。 

    ヌレ子価格−102千円 (10.6%) 

・9年2月以降、 10〜11万円台で安定的に推移。 


トピックス
乳牛 (乳用種とF1) の卸売価格を中心に〜

乳牛 (乳用種とF1) の卸売価格を中心に

 最近の乳牛の卸売価格、 と畜頭数の変化、 競合する輸入冷蔵品の価格、 量販店
での購買動向について見てみる。 

高水準の前年同月を下回る乳用種卸売価格

 牛肉の輸入自由化を契機に低下を続けてきた乳用種去勢 (B2) の卸売価格は、 
平成7年度後半から低下率が縮小し、 8年度に入ると、 英国でのBSE報道等で、 
国産志向が一層高まったことなどから、 前年同月を大きく上回って推移してきた 
(図15)。 

◇図15:牛肉の卸売価格 (対前年同月比) ◇

 この傾向は、 9年度になっても続き、 前年同月を1割以上、 上回って推移して
きた。 しかし、 9月以降は、 F1去勢 (B3) 及び和去勢 (A3) が、 安定して
前年同月を上回っている一方、 乳用種去勢は、 前年が高水準であったこともあり、 
前年同月を下回るようになっている。 

と畜頭数は、 乳用種:減少、 F1:増加

 乳牛去勢のと畜頭数は、 5年度以降、 減少傾向で推移しており、 特に8年度以
降は、 前年同月を1割程度下回っている。 

 その品種別内訳を、 F1を区分できる中央卸売市場を対象に見てみると、 乳用
種は8年夏以降前年同月を下回っているのに対し、 F1は、 逆に増加に転じてい
る。 乳牛に占めるF1の割合も、 5年前には33.4%であったものが、 最近は
60%を超えるまで増加している (図16)。 

◇図16:乳牛去勢のと畜頭数 (対前年同月比)◇

 

これまで堅調な輸入冷蔵品卸売価格、 弱含みに

 乳用種の相場に影響を与える輸入冷蔵品の動向を見ると、 8年は需要が低迷し
たものの、 それに応じて輸入量も絞られたため、 国内仲間相場は9月以降、 前年
同月を上回って推移してきた (図17)。 

◇図17:冷蔵品輸入量と豪州産グラスフルセット卸売価格 (対前年同月比) ◇

 しかし、 9年10月には、 通常月で月間2万7〜8千トンが適当といわれる輸
入量が、 3万3千トンと増加したこともあり、 相場が弱含み、 代表的な品目であ
る豪州産グラス・フルセットの卸売価格は、 約1年ぶりに前年同月を下回った。 

国産牛のPOS購買シェアは、 増加傾向

 牛肉の種類別購買シェアの変化を、 量販店のPOSデータから見ると、 米国産、 
豪州産とも、 8年は、大きくシェアを落とした一方、 和牛、 国産牛(和牛以外) が
シェアを伸ばした (図18)。 

◇図18:牛肉の種類別購買シェア (対前年同月比)◇

 9年4月以降は、米国産、 豪州産がシェアを戻しており、 量販店の店頭での「復
活」 が見られる。 一方、 前年、 シェアを伸ばした和牛は、 逆に減少しているが、 
国産牛 (和牛以外) は引き続きシェアを伸ばしている。 乳用種のと畜頭数は減少
傾向にあり、 これはF1の店頭での販売の広がりを表しているものではないかと
見られる。 


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