牛乳・乳製品

牛乳・乳製品


◇図1:生乳生産量◇


10月−711, 966トン (▲0. 4%) 

・9年7、 8月とわずかに増加の後、 2カ月連続で前年同月をわずかながら下回
  る

・9年度累計では0. 3%減

・北海道は前年同月を0.9%上回ったが、 都府県は飼養頭数の減少等から1.
  3%下回り、 9年4月以降減少傾向が続く


◇図2:1頭1日当たりの平均泌乳量◇


北海道:10月は25.9kg (0.4%) 
都府県:10月は25.6kg (0.0%)、 11月は25.5kg(▲0.8%、 
        速報値) 

・北海道は、 9年7月に前年同月並みとなって以降3カ月連続で前年同月をわず
  かながら上回る

・都府県は、 前月、 2年3カ月ぶりに前年同月を下回ったが、 10月は前年並み


◇図3:飲用牛乳等向け生乳処理量◇


10月−447, 065トン (▲0. 2%) 

・前月、 4カ月ぶりに前年同月を上回ったが、 10月はごくわずかに下回る、 9
  年度累計では0. 4%減

・牛乳の生産が伸びず低調である一方、 乳飲料及びはっ酵乳の生産は好調が続く

・加工乳は、 9年8月、 1年9カ月ぶりに前年同月を下回ったものの、 9月以降
  再び増加し、 10月は71, 734kl (0. 9%) と前年同月をわずかに
  上回る、 9年度累計では1. 5%増


◇図4:牛乳の生産量◇


10月−362, 904kl (▲1. 5%) 

・前月、 1年2カ月ぶりに前年同月をわずかながら上回ったものの、 10月はわ
  ずかに下回る

・9年度累計では、 2. 3%減


◇図5:乳飲料及びはっ酵乳の生産量◇


10月の乳飲料−109, 052kl (13. 1%) 
   はっ酵乳−48, 219kl (10. 0%) 

・健康志向、 栄養強化タイプ等を中心としたメーカーの積極的な商品開発等を背
  景に、 一貫して前年同月を上回って推移

・乳飲料は、 9年8月を除き2桁台の伸びが続き、 9年度累計では14.0%増


◇図6:乳製品向け処理量◇


10月−255, 753トン (▲0. 7%) 

・生乳生産量がわずかに減少し、 優先的に仕向けられる飲用牛乳等向け処理量の
  減少がごくわずかであったことから、 乳製品向け処理量はわずかに減少

・生クリーム等需要拡大事業の効果等から生産量が大きく伸びてきたクリームは、 
  9年7月以降は伸びが1桁台に落ち着き、 10月は6,204トン (4.7%) 

・9年5月以降、ほぼ2桁の伸びを示してきた直接消費用ナチュラルチーズは、1
  0月も1, 302トン (23. 1%) と大幅に増


◇図7:脱脂粉乳の需給◇


10月の生産量−15, 114トン (▲1. 0%) 

・9年度の累計生産量は、 3. 2%減

・事業団は、 9年度カレントアクセス分として17,077トンを輸入、 9年7
  月までに売渡しを完了
  また、 1万2千トンの緊急輸入分についても、 10月30日に7,775.6
  トン、 11月26日に4,145.225トンの売渡入札を実施、 全量落札

・推定出回り量は20,500トン (5.3%) 、 推定期末在庫量は45,60
  0トン (16. 0%) で前月よりも3, 300トン増加


◇図8:脱脂粉乳の大口需要者価格◇


10月−13, 729円/25kg (1. 6%) 

・8年度に引き続き、 9年4月以降安定指標価格を5%程度上回って推移

・9年7月以降4カ月連続で同価格となり、 前年同月を1.6%上回り、 安定指
  標価格 (13, 090円/25kg) を4. 9%上回る水準


◇図9:バターの需給◇


10月の生産量−6, 470トン (4. 6%) 

・9年度の累計生産量は、 前年同期並み

・推定出回り量は9,200トン (27.8%) 、 推定期末在庫量は24,70
  0トン (▲14. 1%) で前月よりも2, 700トン減少


◇図10:バターの大口需要者価格◇


10月−992円/kg (3. 7%) 

・8年2月、 3月の947円/kgを底に値を戻し、 在庫水準が前年より1割前
  後低いこともあって、 8年9月以降9年4月まで一貫して上昇傾向

・9年4月以降5カ月連続で同価格であったが、 9月に1円上げ、 10月も同価
  格で、 前年同月を3.7%上回り、 安定指標価格 (965円/kg) を2.8
  %上回る水準


トピックス
直接消費用ナチュラルチーズの需給について

◇図11:種類別の供給量◇

◇図12:業種別の消費量構成◇

◇図13:業種別種類別消費割合 (平成7年度推計)◇


 直接消費用ナチュラルチーズの消費は、 近年高い伸び率を示している (平成8
年度8.4%増、 農林水産省畜産局牛乳乳製品課調べ) にもかかわらず、 国内生
産量は停滞気味 (0.2%増) である。 国内生産の振興を図るため、 種類別・業
種別の消費実態調査を取りまとめた 「ナチュラルチーズ嗜好実態調査」 ( (社)中
央酪農会議) から、 供給・消費の実態を紹介する。 なお、 数値はすべて平成7年
度の推計である。 

1 種類別供給量

 総供給量は105. 410トンで、 輸入が約9割 (93, 720トン) 、 国
産は約1割 (11,690トン) である。 種類別では、 供給量、 輸入量ともに一
番多いのは、 その多くがシュレッド加工されるゴーダであり、 次が 「ピザ宅配」 
や 「ホテル・外食」 で多く使用されるシュレッド、 クリームチーズの順である。 

 国産については、 チーズケーキ材料として欠かせないクリームチーズが一番多
いが、 近年減少傾向にある。 平成4年度以降5年間で約1.5倍と生産量が伸び
ているカマンベールは、 国産比率が54%と輸入を上回る。 なお、 保存が利かな
いカッテージチーズとクワルクは100%が国産品により供給されており、 特に
クワルクはチルドデザートの原料として業務用が伸びている。 

 半硬質系ではシュレッド、 ゴーダが生産されているが、 国産比率は低く、 小売
向け中心である。 業務向けは低価格志向が強く、 現状では輸入に対抗できない。  
(図11) 

2 業種別、 種類別消費量

 消費量全体のうち 「小売向け」 は約3割で、 残り約7割は 「業務向け」 である。 
このうち国産品の割合が多いのは、  「小売向け」  (22.4%) と 「食品加工業」  
(16. 5%) である。  (図12) 

 業種別の種類別消費量を見ると、  「小売向け」 では、 ゴーダなどの硬質・半硬
質 (65. 2%) に次いでクリームチーズ (13.9%) 、 カマンベール (9. 
1%) の順となっている。 

  「製菓・製パン」 では洋菓子原料となるクリームチーズ (51.2%) が一番
多いものの、 他の業種ではいずれも硬質・半硬質が高いシェアを占めており、 特
に 「宅配ピザ」 ではほとんどである。 これに次ぐものとして、  「外食・ホテル」 
ではパウダー (8. 8%) 、 クリーム (4. 5%) 、 カマンベール (2.7%) 、
 「食品加工業」 ではチルドデザートの原料となるクワルク (13.4%) 、 クリ
ーム (13. 0%) となっている。 

3 今後の需要見通し

 ここ数年の需要の増加は、 宅配ピザの爆発的市場拡大による面が強く、 これに
続く用途としては、  「スプレッド」 、  「フォンデュ」 などがある。 さらに新しい
価値を創造する商品の提案が必要であると乳業メーカー側ではみている。 また、 
輸入商社では、 今後も脂肪分の少ないモッツァレラの強い需要は続くとみている
が、 総体的には多様化が進み、 イタリア産にみられる長期熟成タイプのような個
性的なチーズの需要が拡大するとの予想もある。 


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