栃木県/杉本 宏之
10月24日から26日まで、 「ふるさとマロニエフェア '97」 が栃木県宇 都宮市のマロニエプラザで盛大に開催された。 このイベントは、 創意と工夫を凝 らした地域特産物を一堂に集めての展示・即売、 観光資源、 郷土芸能の紹介など、 県民挙げての総合的な催しで、 今年で9年目となる。 畜産関係では、 県畜産物利用促進協議会が出展団体として参加し、 屋内では県 産畜産物の販売や試飲・試食、 屋外では家畜とのふれあい広場、 卵のつかみ取り、 テクノホースを使った模擬乗馬体験、 大卵焼き大会などが行われた。 中でも、 圧巻は名付けて 「とちぎの大卵焼き大会」 。 雨樋様の細長い鉄板をつ なげること50メートル。 その両側に250人が並び、 一人当たり3個の卵で一 斉に卵焼きを作る趣向だが、 まず“卵焼き装置”を組み立てるのが一仕事。 均一 な卵焼きができるよう水平器まで登場した。 脇を通る市民からは 「流しそうめん でもやるのか」 とか、 灰皿と間違われてたばこの吸殻などを捨てられたこともあ った。 いざ始まると、 火力の加減ですぐ焦げたり、 中々固まらなかったりで場所によ っていろいろな卵焼きができていく。 参加者からは、 「毎朝卵焼きを作るが、 こ んなに一生懸命作ったのは初めて」 (火力の関係でなかなか焼けなかった主婦) 、 「卵3個も食べられないと思ったけど、 これならもっと食べられる」(中学生)、「上 手に目玉焼きができた」 (小学生) などの声があり、 概して好評であった。 家畜とのふれあい広場での人気者は 「栃木しゃも」 のヒナ。 持ちかえりも自由 だが、 「家では飼えないからダメ」 と親からたしなめられても諦めきれずに、 な んと1時間以上もヒナを抱っこしながらうずくまる小学生の姿も見られた。 10月は各地域でいろいろなイベントが催される時期。 畜産関係では 「ときめ きミートフェア」 (茂木町) 「ビーフピアinふじはら」 (藤原町) 、 「塩原町畜 産ふれあいフェア」 (塩原町) 、 「矢板市農畜産フェア」 (矢板市) 、 「那須高 原べこまつり」 (那須町) などが開かれ、 いずれも天候に恵まれ、 好評のうちに 栃木の収穫の秋が暮れていった。
【50mの卵焼き作り】 |