◎地域便り


無農薬ナシ園に鳥取地鶏 「ピヨ」 を放し飼い

鳥取県/前田 喜功


 うまいナシの産地として有名な鳥取県米子市別所に住む小林秀徳さん (33歳) 
は、 県特産のゴールド20世紀ナシの無農薬栽培と鳥取地鶏 「ピヨ」 の放し飼い
に取り組み注目を浴びている。 

 60aのナシ畑のうち30aにゴールド20世紀ナシの無農薬栽培を始めて今年
で2年目。 昨年に引続き栽培を成功させた。 

 今年、 鳥取県中小家畜試験場から 「ピヨ」 を約500羽購入、ナシ園30aとカ
キ園20aに放し飼いにしている。ピヨはシャモとロードアイランドレッドの交配
雄とホワイトプリマスロック雌を交配した鶏で、 味と増体性を兼ね備えている。 
肉は歯ごたえもよく脂肪分も少ない。 家畜試験場で開発され平成3年から供給を
始めている。 試験場のみでひなを供給しており、平成8年度で約3,000羽、平
成9年度には約7,000羽の出荷が見込まれている。小林さんのところでは、抗
生物質は一切使用せず、 自家配合飼料を与えている。  「雑草を食べてくれるので
園内の除草の手間が省け、 ふんは有効な肥料になる」 と語る。 雄は肉に、 雌は卵
用に飼養している。 

 20世紀梨、  「ピヨ」 の卵、 肉は個人で販売する他、 生協、 スーパー等に販路
を開拓、 ナシ園は消費者を招きナシ狩りを企画するなど精力的に活躍している。 

 ナシ以外にもコメ、 カキ、 イチジクを無農薬で栽培、 安全で品質の高い農産物
の生産を目指す一方、 消費者に 「見た目がきれいなものを選ぶ人が多いが、 消費
者が変わらなければ生産者の農薬依存は改まらない」 と訴え、 意識改革を期待し
ている。 
【鳥取地鶏「ピヨ」】

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