◎地域便り


酪農から転換 「やぎみるく」 新発売

宮崎県/中園 福一


 宮崎県北諸県郡山之口町の酪農家5名 (組合長:中村宣博53歳) が、 今年5
月に山之口町山羊乳組合を設立し、 全国でも珍しい 「やぎみるく」 を販売してい
る。 

  「やぎみるく」 は、 成分が人間のお母さんのおっぱいに近く、 牛乳アレルギー
の子供が飲んでもアレルギーがでないという研究報告を聞いたのが、 製品化への
きっかけである。 

 3年前に山羊研究会をつくり、 県外の乳製品を作る施設や肉用山羊農家を視察。 
平成8年7月に長野県飯田市の子山羊セリ市で12頭を導入し、 飼育方法を研究
した結果、 これでいけるという自信を得た。 

 平成9年4月には、 アメリカから成山羊50頭を導入した。 後継者がいないた
め、 乳用牛の管理が困難になり、 また以前から山羊について興味をもっていたこ
ともあり、 これまでの酪農経営を全面的に山羊経営に切り替え、 同年5月から4
5頭の搾乳を始めた。 子山羊の保育がむずかしく、 早期離乳を行ったところ病気
が発生して死亡した子山羊が多かったなど山羊についての飼養管理マニュアルが
なかったため、 試行錯誤の毎日だった。 

 組合員でもある有限会社中村牧場の乳製品加工施設でビン詰製造。 乳量は1頭
当たり1日約1kg、 1ヵ月1,350kgの生産量になる。 酪農の1/3程度で管
理が出来、 牛乳1kg80円の収益性に対し、 山羊乳は900円もあげられる。 宅
配や近隣の販売店及び宮崎県民生協で販売し、 また、 遠方には通信販売もしてい
る。 

  「やぎみるく」 は、 牛乳とはまた違った独特の風味が感じられ、 その成分は、 
無脂乳固形8. 0%以上、 乳脂肪8. 6%以上であり、 山羊乳で昔育った年輩
の方には、 懐かしい味に感じられるはずだ。 なお、 販売価格は90cc入りで25
0円。 

 組合長は、 まだまだ宣伝不足なのでPR活動にも積極的に取り組み、 お母さんの
おっぱいに近い 「やぎみるく」 を全国的に広めたいと、 大きな夢を力強く語って
くれた。 
 
問い合わせ先:有限会社 中村牧場
電話番号 0986−57−2133
メールアドレス
http://www.cmp-lab.or.jp/~n-milk/index. html

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