熊本県/浦田 保憲
熊本県は、西日本有数の酪農県である。 なかでも菊池地域は県内の約50%の生乳を生産する酪農主産地で、酪農は地域農 業の基幹部門の1つとなっている。 「耳の日や文の日はあるけど、国民の食生活に大きく貢献している牛乳の日は どうしてないんだろう?牛乳の日があれば、1年に1回牛乳についてみんなが改め て注目する機会になるんじゃないかな。」、「母の日にはカーネーション、バレ ンタインデーにはチョコレートといった定番ギフトがあり、その時期には消費が 急増して生産が間に合わないことがあるらしいヨ。」、「父の日には定番ギフト 商品がなく、牛乳はちちと呼ぶことから、父の日を牛乳の日にしたら牛乳の消費 拡大につながるじゃないか!」こんな酪農家の会話から、菊池地域では「父の日 に牛乳を贈ろう!」キャンペーンが始まり、今年は2年目を迎えた。 昨年よりもっと「父の日に牛乳」を広く消費者に知ってもらおうと、酪農家は もとより関係機関が一体となった活動が展開された。 父の日は、6月第3週の日曜日であり、本年は6月20日であったことから活動は 主に、6月14日〜20日の間に行われた。 活動の中心は、牛乳の販売であったが、「お父さんの健康」「子供のお小遣い で買えるプレゼント」を意識し、オリジナルステッカーを貼った保冷容器に900 cc瓶入り牛乳を入れ、ギフト用牛乳とした。 酪農後継者グループによる街頭でのデモンストレーションを兼ねた販売や青空 市場での販売、役場や農業団体による注文販売、酪農婦人の地場企業訪問などで 約2,000本の900cc牛乳が父の日のプレゼントとなった。 また、6月17日には、酪農家の女性たちが県庁を訪問し、「県民のお父さん」 として知事へギフト用牛乳のプレゼントを行った。 当地域の酪農家では、「販売なくして生産なし!」が合い言葉になり、牛乳の 消費者のニーズをつかむ活動の重要性が認識されている。「牛乳の日」創設を目 指して、菊池地域から発信した「父の日に牛乳を贈ろう!」キャンペーンが全国 に広がることを期待したい。
【感謝の気持ちを込めて「お父さんずっと元気でね」】 |
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【自分達の作った牛乳を自分達のアイデアで売るぞ!】 |