鹿児島県/神宮司 恒幸
鹿児島県肝属郡は、本県一の農業地帯であり、畜産地帯でもある。特に肉用牛 (和牛)は、全国的にも有数の産地である。 JA鹿児島きもつきは、このほど、「JA和牛繁殖多頭者部会」を設立した。管内 の多頭飼育者55人が賛同し、本年度事業計画や役員体制、規約を決め、これから の肝属地域の和牛振興を支えていく。 肝属地域の和子牛の出荷頭数は、平成3年の輸入牛肉自由化等の影響により子 牛価格が暴落したため、一時は、年間 10万 7 千頭前半にまで減少したが、その 後の子牛価格の落ち着きにより、徐々に回復し、1万9千頭台までになった。し かし、最近は、飼養農家の高齢化等により、再び 1 万 7 千頭台で推移している。 平均飼養頭数は 5 〜 6 頭である。 肝属郡は畑作地帯であるため、畑作との複合経営が主であり、また、飼料畑も 多いため、自給飼料の割合も高い。 今回、部会に賛同したのは、繁殖牛を30頭以上飼養している農家で、平均48頭 飼養し、経営主の平均年齢は、48歳と比較的若い。部会では、和牛繁殖農家の魅 力ある経営体の構築と産地ブランド化を図るために関係機関と一体となり、生産 性の向上と所得の安定向上に努めていく活動を展開する。今年度の事業計画は、 @会員の実態調査、A繁殖牛の改良増殖の推進計画の樹立、B技術・経営に関す る講習会及び研修会の実施等である。 鹿屋農業改良普及所は、この部会の活動を他の関係機関と連携を密にして、支 援していくことにしている。
【設立総会「肝属の和牛振興は我らの手で」】 |