牛乳・乳製品

牛乳・乳製品



◇図1:生乳生産量◇

3月−736,137トン (▲1.0%)

・北海道は前年同月を0.4%上回ったが、都府県は飼養頭数の減少等から2.0%下
 回る。全体では9年4月以降、概ね前年同月を下回って推移。

・10年度累計では0.9%減。


◇図2:1 頭 1 日当たりの平均泌乳量◇

北海道:3月−26.4kg(▲0.4%)
都府県:3月−26.4kg(0.0%)
    4月−26.4kg(▲0.4%、速報値)

・北海道は、9年8月以降前年同月を上回って推移したが、10年9月以降伸びが
 鈍化し、11月以降は概ねわずかに下回って推移。  

・都府県は、9年9月以降伸び悩み、概ね前年並みで推移。


◇図3:飲用牛乳等向け生乳処理量◇

3月−401,444 トン(▲2.1%)

・9年10月以降、ほぼ前年同月を下回って推移。10年度累計では1.9%減。

・飲用牛乳の生産が減少傾向である一方、はっ酵乳等の生産は引き続き増加傾向。
 飲用牛乳のうち加工乳は、9年11月以降前年同月を下回って推移し、3月は62,
 301kl(▲3.8%)。


◇図4:牛乳の生産量◇

3月−312,299kl(▲3.1%)

・8年8月以降、概ね前年同月を下回って推移し、3月もやや下回る。
・10年度累計では2.7%減。


◇図5:乳飲料及びはっ酵乳の生産量◇

3月−乳飲料  98,813kl(4.6%)
   はっ酵乳 66,968kl(30.6%)

・消費者の健康志向、メーカーの栄養強化タイプを中心とした積極的な商品開発
 等を背景に、9年10月まで両アイテムとも2桁の伸び。

・乳飲料は、前年同月をやや上回るが、10年度累計では2.0%増と伸びが鈍化。

・はっ酵乳は、過去最大となり、前年同月を30.6%上回る大きな伸び。10年度累
 計では12.3%増。


◇図6:乳製品向け処理量◇

3月−326,024トン (0.4%)

・10年10月以降前年同月を下回って推移したが、3月は2月に続きわずかに上回る。
 10年度累計では0.7%増。

・チーズ生産量は10,741トン(1.0%)、10年度累計では5.8%増。うち直接消費
 用ナチュラルチーズは1,348トン(7.1%)、10年度累計では7.2%増。            

・生クリーム等生産拡大促進事業の効果等から伸びてきたクリームは、10年度に
 は伸びが鈍化したが、3月は7,081トン(16.3%)と大幅な伸び。10年度累計で
 は5.2%増。


◇図7:脱脂粉乳の需給◇

3月の生産量−19,994トン (2.9%)

・10年9月以降、脱脂濃縮乳仕向けの急増等から前年同月を下回るが、3月は7
 カ月ぶりにわずかに上回る。

・10年度累計では1.8%減。

・推定出回り量は18,900トン(▲2.1%)。推定期末在庫量は、47,000トン(▲9.1
 %)と前年同月をかなり下回る。

・事業団は、11年度カレントアクセス分のうち脱脂粉乳10,800トンについて、2
 月25日に入札を実施、全量落札。


◇図8:脱脂粉乳の大口需要者価格◇

3月−13,643円/ 25kg (▲0.6%)

・9年4月以降、ゆるやかな値下がり傾向。
・3月は前月と同価格で、安定指標価格(13,090円/25kg)を4.2%上回る。


◇図9:バターの需給◇

3月の生産量−8,554トン (0.3%)

・10年10月以降、クリーム生産量の伸び等から前年同月を下回って推移したが、
 3月は6ヵ月ぶりにわずかに上回る。

・10年度累計では0.7%増。

・推定出回り量は7,200トン(2.9%)。推定期末在庫量は32,000トン(23.1%)
 と前年同月を大幅に上回る。


◇図10:バターの大口需要者価格◇

3月−988円/kg(▲0.5%)

・9年11月以降10年6月まで8カ月連続993円で推移。生産量、在庫量の増加を反
 映し、7月に2円下げ、以降9月まで同水準。

・10月以降、引き続き在庫量が高水準であること等から、10、11、3月と各1円
 下げる。


トピックス

乳用牛飼養頭数は2.4%減、未経産牛で目立つ減少


◇図11:乳用牛の状態別飼養頭数の動向(対前年同月増減率)◇

◇図12:乳用牛の年齢別飼養動向(対前年同月増減率)◇

 農林水産省が公表した「畜産統計」によると、今年2月1日現在の乳用牛飼養
頭数は1,816千頭(▲2.4%)で、前年より44千頭減少した。これは、小・中規模
の飼養者層を中心とした飼養中止と交雑種の生産増加に伴う未経産牛の減少等が
あったことによる。

 経産・未経産の区分では、経産牛が1.5%減、未経産牛が3.8%減といずれも前
年を下回った。北海道で経産牛が0.7%上回った他は、都府県、全国とも前年を
下回った(図11)。

 「乳用牛の飼養動向」で年齢別飼養動向を見ると、「9歳以上」が前年を上回
った他は、概ね前年以下となっている。特に「2歳未満」の区分では、「1歳」は
1.5%伸びたものの「1歳未満」が8.9%減少した結果4.1%減となり、将来の生産
を担う育成牛の減少が懸念される(図12)。

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