静岡県/元水 昌仁
静岡県では、県中小家畜試験場がSPF(特定病原菌不在)環境下で系統造成さ れた大ヨークシャー種のフジヨークとデュロック種のフジロックを利用して、静 岡型銘柄豚の普及に力を入れている。「顔の見える安心・安全・高品質の肉豚」 として差別化を図るため、生産者、流通・販売業者および関係機関などで静岡型 銘柄豚普及推進協議会を設立し、生産農場と販売店を認定してシンボルマークを 交付している。 現在、県下に4つの生産集団が設立されている。それぞれが銘柄豚取扱食肉店 を決め、独自にブランド名を定め販売している。県西部地域においても、「ふじ のくに浜名湖そだち」、「ふじのくに浜北ヘルシーポーク」の2つの銘柄豚づく りに取り組んでいる。 4月11日には、「浜名湖そだち」の生産、販売に取り組むグループが、細江町 中川の都田川沿いの特設バーベキューガーデンで、「とんきいふれあい感謝祭」 を開いた。これは同町内で認定農場と認定精肉販売店(とんきい)を営むグルー プの代表鈴木芳雄さん(50)らが中心となって、地元に人にもっと銘柄豚のおい しさを知ってもらおうと企画したものである。ふじのくに浜名湖そだちは、フジ ヨークとフジロックを利用した3元交配で、認定農場では、飼料原料を吟味した 自家配合の専用飼料を使用している。また、安全性が高く、高品質な豚肉生産の ためには、「健康な豚を飼うこと」が必須条件であると考え、関係機関の協力の 下で、定期的な豚のヘルスチェックを実施している。自分たちが生産した豚肉を 自分たちの手で消費者に届けたいというグループの思いが、感謝祭を実現させた。 無料試食会には、町内外から数百人が訪れ、にぎわった。試食には銘柄豚2頭 分、約80kgの肉が用意され、来場者は小分けされた豚肉をコンロで焼いて味わっ た。会場では、ほかにアマチュアのカントリーウエスタンバンドの演奏、ポニー やウサギ、子豚などと遊ぶふれあい動物園、地元農家のとれたて野菜市なども開 き、親子連れの人々を楽しませた。 鈴木さんは「これからも健康な豚を飼うことをモットーに、顔の見える安心・ 安全・高品質を消費者に届けたい」と語っている。
【こんなにたくさんの人々に自分たちの豚肉を】 |