◎地域便り


家畜衛生行政の中核として新たな飛翔  

栃木県/佐藤 直久


 宇都宮家畜保健衛生所(以下「宇家保」)と家畜衛生研究所(以下「家衛研」)
は、平成11年 1 月11日に新庁舎に移転、翌12日から新天地で業務を開始した。新
庁舎と移転整備の取り組みについて紹介する。

 旧宇家保・家衛研は、建築後30年程度経過し、建物が老朽化した上に、敷地が
狭く、 6 年度に関係者が協議し、両所から10km以内にある宇都宮市内(畜産会館
隣接地)に移転統合し、新施設を整備することとなった。

 その後、

   7 年度:基本整備計画策定
   8 年度:建築・外溝設計委託
   9 〜10年度:建築・外溝工事等
  (事業費:約11億 3 千万円)

 を経て、建物は、10年11月30日に完成した。

 新庁舎は、5,600m2の敷地に鉄筋コンクリート 2 階建ての本館(1,752m2)と解
剖室(焼却炉:無臭無煙機能)、動物舎及び車庫等を併せた付属施設(240m2)
で構成されており、本館 1 階には、宇家保の機能を、 2 階には、家衛研の高度
病性鑑定機能と試験研究機能を集約させた。

 1階には研修室(150名収容)、実習室、また、畜産農家が気軽に相談できる
衛生相談室等を設置した。

 2階には、ウィルス・細菌の検査室に無菌室(クリーンルーム)を設置したほ
か、遺伝子診断及び解析のための免疫遺伝検査室を設置した。さらに病原体の飛
散等による実験室内感染防止のための安全キャビネットもウィルス・細菌の検査
室に整備したほか、時代に即応した検査体制に対応するため各種試験検査施設・
機器の充実が図られた。

 栃木県における家畜衛生行政の技術的中核機関として、情報提供、技術指導等
を体系的、効率的に行っていくためのセンター機能や県唯一の家畜衛生に関する
試験研究機関としての機能、さらに総合的研修機能、個別相談機能等を担ってお
り、今まで以上に、各方面から期待され、その責務も重い。今後も引き続き、栃
木県の家畜衛生の向上と畜産農家経営の安定を図り、畜産の振興に貢献していく。
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【1 階には、衛生相談室もある】

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