三重県/吉田 譲
最高級ブランド牛「松坂牛」の銘柄維持に努める松阪肉牛活性化協議会(会長 奥田清晴氏、松阪市長)は平成11年 3 月7日、松阪市において消費者に松阪肉の おいしさを再確認してもらう「おいしさ再発見松阪肉牛」と題した試食交流会を 開催した。 松阪肉牛活性化協議会は、 9 年6月に、ブランドの維持発展を目指し、県事業 である「三重県特産牛肉ブランド化活性化推進事業」を活用して発足した。松阪 牛を飼育する14の市町村や農協など23の会員で構成され、これまで松阪牛の生産 流通実態調査や飼育技術研修会などを実施してきた。 「おいしさ再発見」は、消費者に対するアピールを目的として、今回始めて開 催した。内容は、講演会と松阪肉の試食会である。講演会は松阪コミュニティ文 化センターで志摩観光ホテルの高橋忠之総料理長が「太陽と土と水そして海」と 題して行った。高橋総料理長は、伊勢志摩の素材を使ったフランス料理で新境地 を開き、フランスの作家アンドレ・マルロー氏をして「芸術」と絶賛せしめるな ど、海外からのファンも多い。講演では「世界に誇れる三重県の産物は三つ。伊 勢神宮と真珠と私の料理と言いたいところだが、松阪肉。先人達が人間の英知と 努力を傾けて自然と対峙して作り出した。」、「松阪肉はうますぎる。素材が良 すぎて料理人が育たない」などと松阪肉を絶賛した。 講演後の試食会ではすき焼きコースには2千5百人、焼き肉コースには1千 人の県内外からの応募者から、抽選でそれぞれ250人づつ計500人が市内の松阪肉 料理店で最高の松阪肉の味を楽しんだ。試食会参加費はすき焼きコースが40千円、 ホルモンが主体の焼き肉コースが 1 千円で通常の4分の1から5分の1の値段 で提供された。試食会に当選した人は高価なことから地元の人でもめったに食べ ることのできない松阪肉を十分賞味した。 奥田会長をはじめ関係者らは「松阪肉のおいしさはもとより、松阪肉を育てた 松阪地方の自然や文化、伝統も再認識してもらった」と今回のイベントの成功を 確信し、今年は松阪肉牛共進会が50周年の節目に当たることから、今回の消費者 の意見を参考にし、消費者参加型のイベントを開催したいと語っていた。
【つめかけた参加者】 |
【講演する高橋忠之シェフ】 |