鶏 肉

鶏 肉



◇図1:鶏肉の生産量◇

7月−95,141トン(▲5.1%)

・需要の低迷を受け、10年7月以降前年同月を下回って推移。 

ブロイラー用ひなえ付け羽数−51,237千羽(▲0.4%)

・引き続き減少傾向にあるものの、7月は前年同月並み。

・農林水産省統計情報部のひな出荷見通しでは、前年同月比で、11年8月▲1%、
 9月▲1%、10月▲7%(8月上旬聞き取り)。


◇図2:鶏肉の輸入量◇

7月−47,313トン(7.8%)

・相場が円高傾向で推移していることや、国内生産が減少傾向にあること等から、
 前年同月をかなり上回る。

・中国産は20,225トン(0.7%)とわずかに増加。うち冷蔵品は1,297トン(26.4
 %)と9カ月連続で前年同月を上回る。

・米国産は6,340トン(▲20.3%)と2カ月連続で減少。

・タイ産は10,072トン(▲4.1%)と4カ月ぶりに減少。

・ブラジル産は10,378トン(103.5%)とレアル切り下げの影響から引き続き大幅
 に上回る。

 鶏肉の調製品輸入量−10,177トン(24.1%)

・中国産の増加から、引き続き前年同月を大幅に上回る。


◇図3:鶏肉の推定出回り量◇

7月−139,209トン(▲1.4%)

・10年4月以降、概ね前年同月を下回って推移しており、7月はわずかに前年同月
 を下回る。

・国産品は、95,614トン(▲1.1%)と8カ月連続で前年同月を下回る。

・輸入品は、輸入量の増加にもかかわらず、43,595トン(▲2.0%)とわずかに減
 少。

・家計消費量は、10年12月以降増加傾向で推移しており、260g/人(1.0%)。


◇図4:鶏肉の推定期末在庫量◇

7月−106,174トン(7.7%)

・国産品は、生産量が減少していること等から20,247トン(▲6.3%)と3カ月ぶ
 りに前年同月を下回る。

・輸入品は、輸入量の増加から、4カ月連続で上回り、85,927トン(11.7%)。

・在庫全体では、11年4月以降、前年同月を上回って推移。


◇図5:国産鶏肉の卸売価格(東京)◇

7月−もも肉566円/kg(6.6%)

・生産が減少傾向にあること等から、10年5月以降、12月を除き、前年同月を上
 回って推移。

   むね肉247円/kg(▲10.5%)

・輸入量の増加等の影響を受け、2カ月連続で前年同月を下回る。

8月−もも肉539円/kg(▲1.6%)

・需要の減少等から、8カ月ぶりに前年同月を下回る。


◇図6:輸入鶏肉の卸売価格◇

7月−中国産もも肉311円/kg(▲12.1%)

・9年3月以降ほぼ前年同月を上回って推移していたが、輸入量の増加等から、3
 カ月連続でかなり下回る。

   米国産骨付きもも肉249円/kg(▲7.1%)

・円高等の影響から、2カ月連続で前年同月を下回る。


トピックス

ブラジル産鶏肉、輸入量急増


◇図8:ブラジル産鶏肉の輸入量とCIF価格、卸売価格(対前年増減率)、レアル相場の推移◇

◇図9:タイ産鶏肉の輸入量とCIF価格、卸売価格(対前年増減率)、バーツ相場の推移◇

 鶏肉の生産量が減少傾向で推移するなか、11年4月以降輸入量が増加しており、
11年度累計(4〜7月)では185,722トン(6.7%)となっている。

 特に、ブラジル産の急増は著しく、累計で31,640トン(40.3%)。ブラジル産
は、9年度、10年度とタイ産の価格競争力の回復等の影響を受け、大幅に減少し
てきた。しかし、通貨レアルの下落により、昨年度末からCIF価格が下がり増加
を続けている(図8)。

 一方、タイ産は、通貨バーツの下落から、9年12月以降、価格競争力を付け、
順調に数量を伸ばしてきた。タイ産のCIF価格も引き続き前年同月を下回って推
移しているが、輸入量の11年度累計は42,381トン(3.6%)とその勢いは弱まりつ
つある(図9)。

 鶏肉の推定出回り量は、11年度累計(4〜7月)で563,937トン(▲2.1%)と前
年度をわずかに下回る水準。生産の減少を上回って増加を続ける輸入鶏肉は、在
庫として積み増されており、7月末では85,927トン(11.7%)となった。今年度の
鶏肉輸入量は55〜57万トン台になる可能性も示唆されており、国産卸売価格への
影響が懸念される。


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