牛乳・乳製品

牛乳・乳製品



◇図1:生乳生産量◇

11月−674,736トン(0.2%)

・北海道は1.2%増となったが、都府県は経産牛飼養頭数の減少もあり0.5%下回
 る。全国では10年6月以来1年5カ月ぶりに前年同月を上回る。

・11年度累計では1.7%減。


◇図2:1 頭 1 日当たりの平均泌乳量◇

北海道:11月−25.8kg(1.2%)
都府県:11月−26.5kg(3.1%)
    12月−26.8kg(3.5%、速報値)

・北海道は、前年同月をわずかに上回る。  
・都府県は、11月は10月に続き前年同月をやや上回る。


◇図3:飲用牛乳等向け生乳処理量◇

11月−408,486トン(▲0.9%)

・10年11月以降、前年同月を下回って推移。

・11年度累計では2.2%減。

・飲用牛乳の生産が減少傾向である一方、はっ酵乳等の生産は引き続き増加傾向。
 飲用牛乳のうち加工乳は、9年11月以降前年同月を下回って推移し、11月は60,
 930kl(▲4.6%)。


◇図4:牛乳の生産量◇

11月−324,851kl(▲0.4%)

・9年10月以降、前年同月を下回って推移。
・11年度累計では2.7%減。


◇図5:乳飲料及びはっ酵乳の生産量◇

11月−乳飲料   104,291kl(9.1%)
   はっ酵乳  53,056kl(4.8%)

・消費者の健康志向、メーカーの積極的な新商品投入等を背景に、両アイテムと
 も前年を上回って推移。

・乳飲料は、10年度以降伸びが鈍化したが、11月は4ヵ月連続でかなりの伸び。
 11年度累計では6.3%増。

・はっ酵乳は、11月は先月に続き1ケタ台の伸びとなる。11年度累計では10.0%増。


◇図6:乳製品向け処理量◇

11月−258,470トン(2.2%)

・11月は4カ月ぶりに前年同月をわずかに上回る。11年度累計では0.9%減。

・チーズ生産量は11,937トン(3.8%)、うち直接消費用ナチュラルチーズは1,4
 66トン(19.3%)と大幅な伸び。

・生クリーム等生産拡大促進事業の効果等から伸びてきたクリームは、11月は5,
 976トン(▲7.2%)と前月に続き前年同月をかなり下回る。


◇図7:脱脂粉乳の需給◇

11月の生産量−13,532トン(▲0.7%)

・10年9月以降、生産量は生乳生産の低迷や脱脂濃縮乳仕向けの増加等からおお
 むね前年同月を下回って推移。11年度累計では6.1%減。

・11月の推定出回り量は16,300トン(▲5.3%)。

・推定期末在庫量は前月より400トン減少し、30,700トン(▲31.0%)。

・11年度カレントアクセス分の残り6,000トンのうち11月は2,278トン(10月215ト
 ン)を買入。乳製品パイロット市場第1回入札で2,277トンを売渡決定。


◇図8:脱脂粉乳の大口需要者価格◇

11月−13,640円/ 25kg(▲0.2%)

・9年4月以降、ゆるやかな値下がり傾向。

・11年度は、7月に1円、9月に2円下げたが、11月は3カ月連続同価格で、安定指
 標価格(13,090円/25kg)を4.2%上回る。


◇図9:バターの需給◇

11月の生産量−6,323トン(8.1%)

・生産量は、7カ月ぶりに前年同月を上回る。11年度累計では5.9%減。

・推定出回り量は8,300トン(7.6%)と前月に続き前年同月を上回る。11年度累
 計では1.5%減。

・推定期末在庫量は11年8月をピークに減少しているが、11月は31,100トン(12
 .6%)と引き続き前年同月をかなり上回る。


◇図10:バターの大口需要者価格◇

11月−974円/kg(▲1.5%)

・在庫量の増加を反映し、緩やかな値下がり傾向。
・11年度は9月まで6カ月連続で下げ、11月は1円の下げとなる。

トピックス

酪農経営の円滑な継承のために


 (社)酪農ヘルパー全国協会は、今後の酪農経営の円滑な継承を推進するため
の資料として、「新規就農希望者等実態調査報告書」をこのほど取りまとめた。
平成10年11月から12月末日までの間に次の4種類の調査を実施し、報告書では各
内容の取りまとめとともにデータシートを掲載し、「新規就農希望者」と「後継
者不在、離農側」双方のデーターベースとして利用が可能となっている。


<調査の概要>

A 新規就農希望の酪農ヘルパー等調査(回答72名)

 ア 平成10年度の酪農ヘルパー利用実態調査において、将来は酪農に新規就農
  したいと回答した専任ヘルパー等を対象に調査(調査対象114名)。

 イ 別海町酪農研修牧場、浜中町就農者研修牧場の研修生を対象に調査(調査
  対象10名)。

B 経営継承者受入希望(可能)農家調査(回答60戸)

 「経営主が55歳以上で、後継者不在の飼養頭数30頭(北海道は50頭)以上の酪
 農家」等を対象に調査。

 (参考)(社)中央酪農会議「平成9年度酪農全国基礎調査」によると「」内
 の条件に該当するのは全国で635戸。

C 酪農ヘルパー経験者の新規就農実態調査

D 就農可能な離農跡地調査(回答32戸)

 「飼養頭数30頭(北海道は50頭)以上の酪農経営をしながら直近3年間に離脱
した酪農家」等を対象に就農可能な離農跡地の実態を調査。

 (参考)(社) 中央酪農会議「酪農全国基礎調査」(7〜9年度調査)による
 と「」内の条件に該当するのは全国で606戸。 

 ここではA、B及びDの調査結果を紹介したい。


<調査結果の概要>

就農希望時期は2年以内が4割以上

 就農希望時期については、「条件が合致すれば直ちに」が25名(35%)、「1
〜2年以内に」と併せると4割を超え早期就農希望が多い。一方、就農可能離農
跡地での資産提供の時期については「条件が合致すれば直ちに」が23戸(72%)
あるものの、受入可能酪農家で経営委譲ができる時期では「条件が合致すれば直
ちに」は10戸(17%)と少なく、「5年以上先に」が21戸(35%)と上位を占め
ている(図11)。

◇図11:就農希望、経営継承等の時期◇

受入側の現状を上回る就農希望側経営規模計画  就農希望者の計画では飼養頭数が北海道85頭、都府県73頭であるのに対し、受 入可能者の経営では北海道69頭、府県29頭、また、就農可能離農跡地の収容可能 頭数では北海道48頭、府県40頭となっている。就農希望者の計画は受入側の規模 をかなり上回る状況となっている(図12)。

◇図12:飼養規模(平均)◇

就農希望者は「一定期間借受後の購入」により畜舎施設及び農地の取得を希望  畜舎施設及び農地の取得については、全国ベースで就農希望者の4割以上が 「一定期間借受後に購入」を希望しているが、経営委譲側は「販売(可)」が過 半数を占め、「一定期間貸付後に販売」は1〜2割程度にすぎない(図13、14)。

◇図13:畜舎施設の取得方法及び提供条件◇

◇図14:農地の取得方法及び提供条件◇

就農希望側と経営委譲側の比較  就農希望者72名(男性67名、女性5名、平均年齢26.7歳)は、比較的早期就農 を希望し、畜舎施設及び農地の取得については一定期間借受後の購入希望が多い。 一方、就農可能離農跡地は32戸あり、多くは早期販売が可能である。また、受入 可能酪農家は60戸あり、ある程度の年数を経過した後に販売による委譲を希望す る割合が高くなっている。

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