★ 事業団から


牛乳の小売価格はやや低下
牛乳等の小売価格及び牛乳・乳製品等の消費動向調査から

企画情報部情報第一課


 当事業団では、牛乳・乳製品等の消費動向を的確に把握するため、社団法人食
品需給研究センターに委託して「牛乳等の小売価格及び牛乳・乳製品等の消費動
向調査」を毎年実施している。ここでは、11年度に実施した調査の概要を紹介し
たい。なお、文中( )内の数字は、前年度からの増減を示す。
(調査方法、用語の説明等については、文末参照)


牛乳等の購入状況

購買行動

@ 購入状況

 11年度に4回の小売価格調査を実施した結果、牛乳等を購入した延べ3,987世帯
のうち、牛乳を購入した世帯は85.2(▲1.0)%となっており、低脂肪牛乳が21.3
(0.7)%、乳飲料が18.7(2.7)%、濃厚牛乳が3.1(▲1.0)%となっている(複
数回答)。なお1000ml紙容器入り牛乳の購入世帯は牛乳購入世帯の91.4(▲1.1)
%を占めており、牛乳の購入は1000ml紙容器入り牛乳が主流になっている。

◇図 1  牛乳等の種類別購入世帯割合(複数回答)◇

A 購入先

 1世帯1週間当たりの飲用牛乳(牛乳および加工乳)購入量を購入先別構成比で
みると、量販店(スーパーマーケット、百貨店、生活協同組合等)が71.8(0.5)
%で最も高く、次いで集団購入の13.2(▲0.3)%、CVS(コンビニエンスストア)
の7.5(0.8)%、家庭配達の5.6(▲0.3)%となっている。

◇図 2  飲用牛乳の購入先別購入量構成比◇

B 購入数量

 1世帯1日当たりの飲用牛乳平均購入数量は515.7(▲29.2)mlで、その内訳は牛
乳が433.5(▲23.8)ml(構成比84.1(▲0.2)%)、低脂肪牛乳が74.1(▲3.3)
ml(同14.4(▲0.2)%)、濃厚牛乳が8.1(▲2.1)ml(同1.6(▲0.3)%)であ
った。

◇図 3  1 世帯 1 日当たりの飲用牛乳購入数量内訳◇


購入価格(1000ml紙容器入り)

@ 種類別購入価格

 「牛乳」が190.15(▲3.94)円、「低脂肪牛乳」が154.85(▲7.99)円、「濃
厚牛乳」が230.38(▲9.53)円となっている。また、「乳飲料」は173.68(▲5.
96)円、「LL牛乳」(ロングライフミルク)は189.84(▲1.67)円であった。

 過去10年間の推移をみると、「牛乳」の価格は3年度に200円台に達し、以降
は低下傾向で推移している。

◇図 4  飲用牛乳(1000ml紙容器入り)の種類別購入価格の推移◇

A 牛乳の購入先別購入価格

 家庭配達が236.79(▲0.86)円で最も高く、次いで集団購入の205.03(▲0.16)
円、CVSの202.43(▲4.42)円、量販店の185.44(▲3.52)円となっており、購入
先により価格差がある。

◇図 5  1000ml牛乳購入先別価格◇


選定基準

 「以前から決めている銘柄」が49.7%で最も高く、次いで「パッケージ表示、
解説等」の40.5%、「試飲してみて」の23.5%等になっている。また、「新聞・
雑誌・チラシ広告」(14.2%)や「テレビのコマーシャル」(10.2%)は10%台
である(複数回答)。

◇図 6  牛乳等の選定基準◇


乳製品の消費動向

はっ酵乳(ヨーグルト)

@ 購入頻度

 はっ酵乳を購入している世帯は、調査対象世帯の94.4(2.2)%であり、購入頻
度は「週2〜3回位」が33.2(5.5)%で最も高く、次いで「週1回位」の28.3(▲
1.3)%、「月に数回」の18.1(▲0.2)%等の順になっている。

◇図 7  はっ酵乳の購入頻度◇

A 商品タイプ別購入割合

 購入しているはっ酵乳の商品タイプ別では、「プレーンタイプ」が62.8(0.3)
%で最も高く、次いで「ドリンクタイプ」の33.4(3.1)%、「ハードタイプ」の
31.0(3.1)%、フルーツタイプ29.4(3.4)%、フローズンタイプ5.8(▲2.6)%
等の順であった(複数回答)。 

 昨年度に比較し、フローズンタイプ以外の全てのタイプで割合が上昇している。

◇図 8  はっ酵乳の商品タイプ別購入割合(複数回答)◇

B 今後の消費意向

 今後の消費意向については「今のまま」が70.1(5.6)%を占めているが、「増
やしたい」も24.8(▲4.7)%と約4人に1人の割合になっており、牛乳や他の乳製
品に比べると引き続き購入意欲を持っている人が多い。

◇図 9  はっ酵乳の今後の消費意向◇


チーズ

@ 購入頻度

 購入頻度は「月に数回」が34.5(1.0)%で最も高く、次いで「月に数回以下」
の29.6(▲0.3)%、「週1回位」の18.1(▲4.4)%の順になり、「ほとんど購入
しない」は9.1(0.9)%と1割以下であった。

◇図10 チーズの購入頻度◇

A 主に利用する種類

 主に利用するチーズを割合の高い順にみると、ナチュラルチーズでは「カマン
ベール」の41.9%が最も高く、次いで主にピザに使われる「シュレッド」の41.3
%、「パルメザン」の33.1%等となっており、昨年度2位であった「カマンベー
ル」が「シュレッド」を抜いて首位となった。プロセスチーズでは割合の高い順
に「とろけるスライスタイプ」の54.9%、「箱入りタイプ」の43.9%、「ポーシ
ョンタイプ」の34.8%等となっている(複数回答)。

◇図11 主に利用するチーズの種類(複数回答)◇

B 今後の消費意向

 今後の消費意向についてみると、「今のまま」が75.9(6.9)%と半数以上を占
めているが、「増やしたい」が17.2(▲5.6)%あり、今後もゆるやかに消費が拡
大するものと予測される。

◇図12 チーズの今後の消費意向◇


[調査方法等]

(1)調査対象

 札幌、東京、名古屋、大阪及び福岡の 5 地区のそれぞれ200世帯、計1,000世帯
とした。

世帯構成区分

 @0〜5歳の子供がいる世帯		
 A6〜11歳の子供がいる世帯	
 B12〜19歳がいる世帯
 C子供がいない世帯	
 D高齢者のみの世帯

約束事項

 (1)@とAの両方に子供がいる場合はAを優先
 (2)AとBの両方に子供がいる場合はBを優先
 (3)@とBの両方に子供がいる場合はBを優先
 (4)@とAとBのそれぞれに子供がいる場合はBを優先
 (5)Cには高齢者(ここでは60歳以上)を含む場合もある。

(2)調査事項

 @牛乳等の小売価格実態調査−4半期に1回、年4回実施

  牛乳等(牛乳、加工乳、乳飲料)に関する種類別の小売価格、購入数料、購
 入方法等

 A牛乳・乳製品等の消費動向調査−年1回実施

  ・牛乳、加工乳、乳飲料に関する種類別の購入状況及び今後の消費意向等
  ・牛乳の料理における利用状況
  ・乳製品(はっ酵乳、チーズ)の購入状況及び今後の消費意向等

(3)調査方法

 調査員が調査票を調査対象世帯へ配布し、1週間留置き記入後、回収

(4)牛乳等の区分
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(5)購入価格

 購入価格は消費税込みとした。

〈お問合せ先〉農畜産業振興事業団企画情報部情報第一課
  担当 武田  電話 03−3583−8545   FAX 03−3584−1246

*報告書をご希望の方は、FAXでお申し込みください。ただし、部数に限りがあ
ります。

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