◎地域便り


ユーキ・ユーキ(勇気・有機)の里づくり

岩手県/長内 幸一


 岩手県北部に位置する大野村では、「一人一芸の村」づくりが20年の節目を迎
える今年を、村おこしスタートの年と位置付け、春(5月3〜5日)と秋(10月13
〜15日)の2回、村民総参加による21世紀を見据えた「未来・創造2000年祭」を
計画した。

 ユーキによる活力ある村づくりの実現を目指し、農業については、農薬、化学
肥料をできるだけ少なくした野菜や雑穀などを試験栽培するとともに、秋には、
農産物コンクールを実施し、有機的な農業の普及拡大を図っている。そのため
「ユーキ・ユーキ(勇気・有機)の里づくり」をスローガンに、5月に全戸(8
00戸)を対象に完熟たい肥を1農家当たり200キログラム(10坪分)を配付した。
「ユーキの里づくり」は3年目になり次の5つの目標を掲げている。

 1.完熟たい肥 使った農業を進めましょう
 2.農薬、化学肥料 できるだけ少なくしてみよう
 3.産直施設に わが家の農産物を出してみよう
 4.ユーキ・ユーキの 仲間づくり進めよう
 5.秋の農産物コンクール 成功させよう

 完熟たい肥は、大野村畜産公社(理事長・佐々木大野村村長)が全国に先駆け
てメーカーと共同開発したコンポスター(たい肥かくはん機)を利用し、家畜の
排せつ物を約2カ月半で、6ないし7回かくはんし、高温発酵させて作ったもので
ある。トラクターなどを使う従来の方法から大幅に工程が短縮され、燃料費も大
幅に削減された。このコンポスターの処理能力は1時間当たり200〜300トンであ
り、走行時は時速32キロメートルの速度が出る。大野村畜産公社では、酪農家を
中心に巡回し、たい肥かくはん作業の請け負いを行うこととしている。

 村の計画では、このコンポスターと養豚農家(母豚規模で1,800頭)を対象とし
たたい肥処理センター(平成13年度完成予定)により、完熟たい肥を生産し、
「ユーキの里づくり」に本格的に取り組んでいく予定である。

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【コンポスター(たい肥かくはん機)】

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