◎地域便り


和牛生産を核にした地域ぐるみの活性化

島根県/ト蔵 寛治


 日原町堤田和牛生産組合(代表、斉藤達雄)は、水田転作を契機に集団転作や
機械の共同利用、安全でおいしいお米の生産等幅広い活動を目指して昭和62年に
設立された。

 主な活動は、和牛の生産振興に関することはもとより、地域との触れ合いを目
標にした「さくらまつり」、コストダウンに向けた共同放牧場の開設、道の駅を
利用した地元産品の販売等である。

 「さくらまつり」は、地元で生産された日原の和牛肉をバーベキューで町内外
の多くの消費者に食べてもらおうと桜の開花時期に食べ放題にし、併せて有機米
のおむすびや手づくりのタレ、漬物等を提供、参加者から「おいしい」と好評で
あった。生産者が自ら企画し、消費者との交流の場づくりを行いながらやりがい
のある牛飼いを目指し、地域の活性化に役立てている。

 共同放牧場は子牛価格が低迷する中、規模拡大を図りながらコストを削減して
いこうと多頭飼育農家が中心になって平成9年3月に完成した。地域ぐるみで消費
者と交流を進めたさくらまつりにちなみ「日原さくらふぁーむ」と名付けられて
いる。

 放牧場の面積は、7ヘクタールで、うち3ヘクタールにシバを定植している。シ
バ牧場に向け移植から3年目を経過し、手入れのかいがあり、生育も順調で、放
牧されている牛の行動範囲も広く繁殖成績も良くなっている。将来は全面シバ草
地を目指し維持管理を進めている。

 11年6月には、道の駅「シルクウエイにちはら」がオープンし旬菜市場が併設
された。この旬菜市場の運営は、青空部会、加工部会により進められ、地元会員
で地元産品の特長を生かした商品開発も活発で日原の味にこだわった産物が販売
されている。和牛婦人部は、焼き肉のタレ、転作大豆を活用した加工品、各種の
野菜等を販売し順調に成果を出している。このことは日原町の農林業振興を含め
た地域農業の活性化に向け周辺市町村からも注目され、期待されている。
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【放牧場でシバ草地の生育調査する関係者】

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【加工部会で手づくりされた焼き肉のタレ】

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