◎地域便り


新銘柄鶏の名称、「はかた一番どり」に決定!

福岡県/野田 美治


 福岡県は、鶏肉の1世帯当たり家計消費量が年間15.5kgと、全国平均に比べ約
35%も多い。また昔から「博多水炊き」、「がめ煮」等の食材として鶏肉の消費
が多い地域でもある。このような背景から、県農業総合試験場では、在来の「シ
ャモ」を血統に持つ「はかた地どり」を開発し、その普及に力をいれた結果、現
在では水炊きなどには欠かせない鶏肉として安定した人気を博している。

 しかし、最近、一般ブロイラーよりもおいしく、地鶏より手頃な価格で購入で
きる鶏肉を求める消費者の声が大きくなり、県農業総合試験場では、消費者ニー
ズと生産農家の意向に添った肉用鶏の作出に取り組み、最近になって新しい銘柄
肉用鶏を開発した。これは、食味に優れた「さざなみ」(横斑プリマスロック)
と、成長が早い「ホワイトロック」を交配し作出されており、うま味成分である
イノシン酸が一般ブロイラーに比べ、約15%多く含まれているという特徴がある。

 この新銘柄鶏が、激化する産地間競争に打ち勝っていくためには、新しい農産
物ブランドとして一般消費者に受け入れられる必要がある。誰からも愛される名
称をつける目的で、広く一般公募によりその名称を募集した。募集は、はがきに
加えEメールでも受け付け、1カ月間と短期の募集であったにもかかわらず、
1,691通の応募があり、選定作業に悲鳴をあげるほどであった。優秀作数点の中か
ら、最終的には「はかた一番どり」の名称に決定した。

 はかた一番どりは、遺伝子組み換え操作や、収穫後に農薬散布をしていないト
ウモロコシを飼料に使用、さらに八女茶を添加し、「美味しい、ヘルシー、安心」
をキャッチフレーズに生産販売されている。生産量は、12年度の12万羽から、14
年度には50万羽体制を計画しており、はかた地どりと2本立てで、福岡県の銘柄
鶏として普及推進していくことにしている。
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【飼料には八女茶を添加】

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