牛乳・乳製品

牛乳・乳製品



◇図1:生乳生産量◇

5月−733,651トン(▲3.5%)

・生乳生産量は北海道が1.5%、都府県が4.9%といずれも前年同月を下回り、
 9カ月連続の減少となった。


◇図2:1頭1日当たりの平均泌乳量◇

北海道:5月−27.3kg(▲0.4%)
都府県:5月−27.6kg(0.0%)
    6月−27.3kg(0.7%、速報値)

・北海道は、5月はほぼ前年並み。 
・都府県は、11年8月以降前年同月を上回って推移し、5月は前年並み。6月の
 速報値はほぼ前年並み。


◇図3:飲用牛乳等向け生乳処理量◇

5月−437,192トン(5.1%)

・12年7月以降、加工乳による食中毒事故の影響もあり、需要が牛乳へシフトし
 たこと等から11カ月連続で前年同月を上回る。
・飲用牛乳の生産量(牛乳と加工乳の計)は、近年減少傾向で推移してきたが、
 5月は前年並み。
・飲用牛乳のうち加工乳は、12年7月以降落ち込みが目立ち、5月は50,382kl
 (▲21.2%)。


◇図4:牛乳の生産量◇

5月−343,962kl(4.4%)

・12年7月以降ほぼ前年同月を上回って推移。


◇図5:乳飲料およびはっ酵乳の生産量◇

5月−乳飲料   113,784kl(6.0%)
   はっ酵乳  64,579kl(▲0.1%)

・乳飲料は、3月に10カ月ぶりに前年同月を上回り、4月、5月と引き続いてや
 や上回る。
・はっ酵乳は、12年3月以降ほぼ前年同月を下回って推移。


◇図6:乳製品向け生乳処理量◇

5月−288,831トン(▲13.9%)

・11カ月連続で前年同月を下回る。
・乳製品生産量の中では、バターおよび脱脂粉乳の減少が顕著である。
・チーズ生産量は10,474トン(4.1%)。うち直接消費用ナチュラルチーズは1,
 084トン(▲25.5%)と9カ月連続で下回る。
・クリーム生産量は5,733トン(16.9%)と8カ月連続で上回る。


◇図7:脱脂粉乳の需給◇

5月の生産量−15,955トン(▲16.9%)

・生産量は7カ月連続で前年同月を下回る。
・推定出回り量は14,500トン(▲22.3%)と15カ月連続で下回る。
・推定期末在庫量は、62,800トン(8.9%)と14カ月連続で前年同月を上回る。
 カレントアクセス分に係る買入入札(4/12、3,500トン)は全量落札、5月に
 2,626トンを検収した。


◇図8:脱脂粉乳の大口需要者価格◇

5月−13,631円/25kg(▲0.1%)

・9年4月以降、ゆるやかな値下げ傾向。
・12年11月以降、7カ月連続同価格。
・13年度から安定指標価格は廃止された。


◇図9:バターの需給◇

5月の生産量−7,533トン(▲22.6%)

・生産量は、前年同月を9カ月連続で下回る。
・推定出回り量は、6,700トン(9.6%)と3カ月連続で上回る。
・推定期末在庫量は、3月に3年ぶりに前年同月を下回り、5月は35,800トン
 (▲18.1%)。


◇図10:バターの大口需要者価格◇

5月−937円/kg(▲1.9%)

・在庫量が前年同月を下回って推移したことから低下傾向。
・12年12月以降3月まで4カ月連続で同価格となったが、4月は41カ月ぶりに1
 円値上げとなり、5月は4月と同価格。
・13年度から安定指標価格は廃止された。


トピックス

チーズ消費量は6.5%増で過去最高


 5月に公表された「平成12年度チーズ需給表」(農林水産省生産局畜産部牛乳
乳製品課)によると、チーズの総消費量は7年度に20万トン台に乗り、その後も
増加傾向で、12年度は過去最高の259,576トン(6.5%)となった(図11)。

◇図11:チーズの総消費量◇

 総消費量の内訳は、ナチュラルチーズが142,531トンで全体の54.9%、プロセ スチーズが117,045トンで45.1%と平成5年度以降ナチュラルチーズの比率がプ ロセスチーズをかなりの程度上回って推移してきている(図11、12)。  ナチュラルチーズのうち「プロセスチーズ原料用」以外のナチュラルチーズを 「直接消費用」(カマンベール等で業務用その他原料用を含む)と称し、区別し ている。直接消費用のうち国産ナチュラルチーズは14,628トンで総消費量の5.6 %であるが、国産プロセスチーズは110,177トンで42.4%を占めている。しかし、 図12の小円グラフで示すように、国産プロセスチーズの原料となるナチュラルチ ーズの80.0%が輸入によるものである。(図12)。

◇図12:平成12年度チーズ総消費量の内訳◇

 平成12年度の輸入の内訳を国別に見ると、ナチュラルチーズ全体(直接消費用 +プロセスチーズ原料用)ではオーストラリア、ニュージーランドのオセアニア 地域が約7割を占め、プロセスチーズではフランス、デンマーク等EU諸国が約8 割を占めている(図13)。

◇図13:平成12年度国別輸入量◇

 国産ナチュラルチーズの生産量は、12年度は直接消費用およびプロセスチーズ 原料用ともに減少した。(図14)。チーズの消費量が総じて増加する中で、12年 度のチーズ総消費量の国産割合(プロセスチーズ分を原料のナチュラルチーズに 置き換えて推計)は13.9%と前年を2.3ポイント減少した。ナチュラルチーズの うちプロセスチーズ原料用では20.4%、1.6ポイント減、直接消費用では10.3%、 2.2ポイント減、と国産ナチュラルチーズの生産量が低迷したことに伴ない、国 産比率は減少した。(図15)。

◇図14:ナチュラルチーズの生産量・輸入量◇

◇図15:国産割合の推移◇

資料:「平成12年度チーズの需給表」(農林水産省畜産局牛乳乳製品課調べ)    及び「貿易統計」(大蔵省)

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