◎地域便り


島は元気だ!―黒島牛まつり2001―

沖縄県/安富祖 誠


 「島は元気だ!」を合い言葉に、今年も2月25日に黒島牛まつりが開催された。
黒島はその昔、隆起サンゴ石灰岩でおおわれ、作物も充分穫れない不毛の島であ
ったが、畜産基地建設事業でサンゴ石灰石をくだくスタビライザー工法により改
良草地が整備され、以来、「牛の島」として生まれ変わった。開催当日は、あい
にくの冬の寒空の天気となったが、島外から2,000人以上が参加し、島が活気づ
いた。牛の頭数2,600頭に対し、人口220人の島が、この日ばかりは、盛大な賑わ
いをみせるのである。

  この牛まつりは、島の活性化と若者が定住できる島づくりを目的として、平成
4年に自治省の地域活性化事業を導入して始まった。今年で第9回を数え、また
今年は21世紀初頭の年でもあるため、キャッチフレーズは「21世紀もやっぱり牛
が主役」を合い言葉に、多くの催し物が繰り広げられた。

 まつりは、まず、地域の児童生徒による太鼓演奏で始まり、多彩な郷土芸能が
演じられ、恒例となっている3大イベントの1つである「牛との綱引き」では、
体重約1トンの牛が体格のいい大人たち(5〜6人)を軽々と引っ張り、力の違
いを見せつけていた。また、「牧草ロール転がし」では、重さが300キログラム
もある牧草ロールを必死になって転がそうとする参加者の苦悶の表情に会場から
は「ドッ」と笑いと拍手がわき起こり、ひときわ賑わいをみせていた。

 毎年まつりのハイライトになっているのは「夢の牛1頭抽選会」で、今年は、
石垣市のMKさんが見事に幸運を射止め、「今年はいい年になりそうです。でも、
どうしましょうか?」とやや興奮気味に語っていた。

 他の楽しみのひとつでもある、名物の「牛汁」や「牛のもも焼き」などのメニ
ューには家族づれなどの長蛇の列ができ、おいしそうに舌鼓を打っており、「牛
の島」ならではの、のんびりとした牛づくしのイベントを十分に満喫しているよ
うであった。
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【牛との綱引き】

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【郷友会のみなさんの踊り】

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