◎地域便り


たい肥の利用促進に向けたシンポジウムの開催

長野県/農政部畜産課


 長野県では、財団法人畜産環境整備機構との共催により、8月30日に松本市の
長野県松本合同庁舎において「長野県たい肥生産利用促進シンポジウム」を開催
した。参集者は、たい肥の生産(畜産農家)、流通(たい肥流通業者)、利用
(耕種農家)に携わる関係者および、行政、普及、農協等の関係機関・団体の方
々で、環境と調和のとれた農業生産の確保を目指して、良質なたい肥の生産方法
や利用方法についての事例発表や講演等を行った。

 事例発表では、信州うえだ農業協同組合から、農協の作物部会の要望・意見を
聞きながら、副資材の配合割合を調整して作物別にたい肥を製造し、耕種農家に
高く評価されている「塩田たい肥センター」の取組みと、上伊那農業協同組合か
ら、昭和54年に設立以降、たい肥の円滑な流通と土づくりの推進に取り組んでい
る「堆肥銀行」の活動内容についての発表があった。続いて、生物系特定産業技
術研究推進機構畜産工学研究部 主任研究員道宗直昭氏が「環境に配慮した適切
な家畜排せつ物処理技術について」と題して、たい肥生産の基礎的な知識ととも
に、畜産の大きな課題である悪臭防止技術について講演を行った。さらには、
「問題解決討論」の中で、畜産経営に起因する環境問題の解決に向けての日頃の
悩みや相談等について、助言者からのアドバイスや参加者からの取り組み事例の
発表など、活発な意見交換・情報交換が行われた。

 当日は、県内および近県から合わせて170名程の参加があり、たい肥利用に係
る耕畜連携の推進とともに、環境と調和した畜産業発展のための一助になったこ
とと思われる。

 なお、長野県では、畜産と耕種の連携強化により、たい肥の利用促進を図るた
め、畜産農家はもとより行政と関係団体等が一体となって、平成12年8月30日に
「長野県堆肥生産利用促進協議会」が設立され、利用促進に係る活動が展開され
てきている。今後においても、家畜排せつ物の処理施設等の整備に計画的に取り
組むとともに、当協議会の活動を一層充実し、環境と調和のとれた畜産の発展と
循環型社会の構築に取り組んでまいりたい。
【たい肥利用について、真剣な検討が
行われたシンポジウムの様子】

元のページに戻る