◎地域便り


北海道 ●「十勝若牛」の生産・販売について

北海道/岡田 繁


 十勝清水町は、十勝の中心地帯広市より西に約30キロメートルに位置する
農業専業の町で酪農が特に盛んである。清水町の地名は、アイヌ語の「ペケレ
ベツ」(清い水の流れるところ)を由来としており、十勝川の恵みと日高山脈
の豊富な水に恵まれ、人も作物も生き生きとしたすばらしい町である。

 豊富な酪農資源をより効率的に活用すべく、国産牛肉(ホルスタイン去勢肥
育牛)の生産販売を以前より手掛けており、生産農家にとってはこれまで牛肉
自由化、バブルの崩壊による枝肉価格の低迷等、大変厳しい状況で経営を続け
てきた。

 そこで新たに開発したものが、新国産早期肥育牛「十勝若牛」である。

 十勝若牛は、現在出荷月齢約14カ月齢、生体出荷体重約600キログラム、枝
肉重量で320キログラムとこれまでの国産牛肉に比べると飼育期間が大変短い、
小さな牛である。枝肉においてはバラツキがなくそろっており、肉色は全体的
に明るく、変色も遅く安定している。一番の肉の特徴は、どの部位も柔らかく、
子供からお年寄りまで誰にでも食べやすい牛肉とのことである。

 これまでも国産の若齢牛といった試行錯誤がさまざまなところで行われてい
るが、それらよりもさらに若い牛の生産を行っている。このように生産される
牛を“*イヤリング”と呼び通常の肥育牛と分けて生産、販売を行っている。

 このイヤリング牛の開発目的は、これまでの作ればすべて売れる時代とは違
ってきており、消費者に認められものを作ることが、今後必要であるとの考え
からスタートした。これまでの牛肉生産は、良いものイコール、サシのあるも
のであったが、良いものを作れば高く売れるといった漠然とした考えを刷新し、
末端の小売業の実態がどうなっているのか、どう考えようとしているのかを良
く理解し、末端との連携によりその具体策を実践することを目指している。 

 平成8年から開発を手掛け、現在は4戸の農家で年間1,600頭の販売をしてい
る。今後さらに飼養管理の改善を進めながら消費者、小売業と連携し、販売数
量を拡大していきたいと考えている。

*生後ほぼ1年で出荷するので、英語の1年(year)をとって「イヤリング」と
いわれている。
【短期飼育のため回転率が高く、
餌代も安い】

    
【やわらかく赤身中心のため
ダイエットにも】

元のページに戻る