◎地域便り


三重県 ●育成、肥育も手掛けて真の牧場目指す

三重県/企画情報部


 農業生産法人有限会社あのつ牧場は津市西部、伊勢自動車道・津インターチェ
ンジの直ぐ近くに位置している。

 80アールの広さの牧場に搾乳牛260頭が飼養されており、年間220万キログラム
の生乳を出荷。1日3度の搾乳を始めるようになってから平均で10〜15%生産量が
上昇し、1頭当たりで年間8,500キログラムを維持している。

 成牛のほとんどは北海道等から導入され、現時点で育成までは行っていない。
またヌレ子は年間230頭ほど出荷されているが、自動ほ乳システムを導入したこ
とで一時に60頭程度までの飼育が可能になった。従って生後90日齢、体重60キロ
グラムぐらいまで飼育期間を伸ばすことが検討されており、小遣いぐらいにしか
ならないという位置付けから、経営に寄与する1部門としての確立が課題だ。

 代表取締役の太田誠治さん(37歳)が継ぐまでの家業としての経営規模は40頭
余。「魅力は感じられなかった」。しかし現在牧場本体の置かれている場所、ま
とまった規模の用地が手に入ると聞き、がぜんヤル気になった。サラリーマン生
活から転じて、ひたすら規模拡大に努め、平成8年からはフリーストール式の牛
舎2棟とミルキング・パーラーを配し、ふん尿処理、たい肥化等の施設も既に完
備している。

 生乳は全量、四日市市内の酪農専門農協に仕向けられている。「正式組合員で
はないが協力牧場の一員として参加している」のは牛乳や乳製品に対する同農協
の姿勢に「共感した」からである。Non・GMO飼料を使用するなどコスト面での難
題もあるが、「将来ともに酪農で生きていこうと決めた以上、その将来性に賭け
てみよう」と踏み切った。

 ふん尿処理からたい肥製造までを担うのは任意組合「WAプラント」である。近
隣の養豚家等と結成したもので、たい肥は「ミックス・パワー」として商標登録
も済ませている。耕種農家から稲わらを集荷する組織も結成されており、両者は
耕畜連携を確立し、耕種農家にはたい肥が供給されている。牧場とは別にこうし
た組合、組織を作ったのは馴れ合いの弊を防ぐため。環境対策としてせっかくハ
ード面で充実しても、要はソフト面がしっかりしないことには本業の足を引っ張
りかねない。

 将来的には乳肉の複合経営を実現したい。自家内一貫となれば人員についても
拡大しなければならず、課題は多い。しかし「育成も、そして肥育も手掛けてこ
そ、本当の牧場になれる」と意欲満々だ。

【ミルキング・パーラーでの
      太田誠治さん】

    
【牛舎の奥に見えるコンポスト】

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