◎地域便り


沖縄県 ●宮古島における子牛増産の取り組み

沖縄県/平良 雅則


 宮古地域は大小8つの島々からなる。周囲をきれいな海に囲まれた、温暖な気候
(年平均気温23.3度)により年中青草に恵まれた南国の群島である。


 この様な豊かな自然環境の中で、サトウキビを基幹作物とし、肉用牛との複合を
基本に農業経営を行ってきた。その結果、平成14年12月末現在、1,398戸の畜産農
家で17,419頭の黒毛和種を飼育している。


 宮古地域では、和牛による農業所得の向上を図るための取り組みとして、 @1農
家当たり母牛1頭の増頭運動の展開、 A銘柄確立のため、増体の優れた宮古母牛に
資質系の優良種雄牛を交配する計画交配の推進、B粗飼料確保のため、国・県の補
助事業を活用した粗飼料基盤の整備、C高齢者等の労力低減を図るため、乾草調製
作業受託事業(コントラクター)の導入、D家畜市場活性化のため、関係機関一体
となった県内外購買者の誘致運動の展開などを実施してきた。


 これらの推進活動の結果、この10年間で、飼養頭数が1.4倍、子牛生産頭数が1.4
倍、販売高が 2.4倍に増加している。特に県外への子牛出荷頭数の伸びは著しく、
平成9年度には3,920頭で全体の70%を突破し、平成14年度には6,486頭で全体の90
%に迫る勢いである。


 この様な中で、平成14年度には年間売上高20億円の大台突破(22億4千44万円)を
達成した。


 これを機に、平成15年5月9日にJAおきなわ宮古支店主催による「宮古和牛販売高
20億円突破生産者大会《販売高30億円目標早期必達》」が開催された。


 同大会には、約450人の和牛生産農家が参加し、30億円早期必達に向けてセリ出
荷子牛の斉一性(出荷体重250_s〜280_s)運動の展開、規模拡大・増頭運動の展開、
「増体よく、飼いやすく、肉質に優れた宮古牛」の作出にむけて計画交配の徹底が
決議され、大会スローガン、大会宣言が全会一致で採択された。


 大会終了後会場隣のクイチャー広場で、大会参加者全員による焼肉会が催された。
日頃は牛の世話で忙しい畜産農家のみなさんも、宮古島独特のオトーリ(車座で行
う泡盛の回し飲み)を酌み交わし、宮古牛に舌鼓をうちながら牛飼い談義に花を咲
かせた。
大会挨拶にも大いに熱が入る 参加者全員による焼肉会

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