★ 農林水産省から


米国およびカナダにおける日本向け
牛肉認定施設の査察結果報告について

厚 生 労 働 省 
農 林 水 産 省


 平成17年12月12日の「米国及びカナダから日本向けに輸出される牛肉等の輸入停止措置の解除について」により、輸入再開を決定しましたが、これに伴い、米国およびカナダにおけるプログラムの順守状況などの確認のため、担当者を両国に派遣し、査察を行いました。この査察結果の概要を下記の通り報告します。

査察日程および査察場所

I.米国

  1. 期  間:12月13日(火)〜24日(土)12日間
  2. 査察場所:食肉処理施設(パッカー)11施設および関連施設(コロラド州、カンザス州、テキサス州、ネブラスカ州およびカリフォルニア州)
  3. 実 施 者:厚生労働省、農林水産省の担当者3チーム(計10名)

II.カナダ

  1. 期  間:12月13日(火)〜23日(金)11日間
  2. 査察場所:パッカー4施設および関連施設(オンタリオ州、ケベック州、サスカチュワン州およびアルバータ州)
  3. 実 施 者:厚生労働省、農林水産省の担当者1チーム(計3名)

日本向け輸出プログラムの実施状況

 両国の各パッカーとも輸出プログラムの実施に必要な手順が文書で定められており、当該文書に従った作業が実施されていた。

I.米国

  1. 牛の月齢確認

    (1)生産記録による確認
     (1)子牛生産農場では、子牛の生年月日や識別番号を記録し、フィードロットに伝達。フィードロットはこれらの情報を記録し、パッカーに伝達。
     (2)パッカーでは、フィードロットからの生産記録があるものについて20カ月齢以下であることを確認。

    (2)生理学的成熟度(A40)による確認
     米国農務省(USDA)の規定に基づき適切に実施していることを確認。
     (1)USDA格付官が、通常の格付に加え、日本向け枝肉について、生理学的成熟度の判定を実施し、その記録を保存。
     (2)最終的にA40以下と判別された枝肉には日本向け牛枝肉として「USDA認証スタンプ」を押印。

  2. 特定危険部位(SRM)の除去

     ピッシングの禁止、脊髄などのSRM除去、牛枝肉の高温・高圧洗浄などの適切な処理 を確認。

     パッカーに常駐するUSDA検査官が、国内規制および輸出プログラムの順守を確認。

  3. 日本向け牛肉の分別/識別

     手順書に基づき、品質管理担当者の監督の下で、適切にほかの牛肉と分別。
     (1)生産記録で20カ月齢以下と確認した牛の枝肉は、タグなどによりほかの枝肉と区分。舌・内臓は、合札により枝肉と突合。
     (2)A40基準を使用した場合、USDA格付官が最終的にA40以下と判別した日本向け牛枝肉に「USDA認証スタンプ」を押印することによりほかの枝肉と区分。一部施設では合札により枝肉と舌を突合。
     (3)日本向けと畜・部分肉処理を作業開始時に行うことや、前後に時間を空けることにより、ほかの牛肉の混入を防止。
     (4)日本向け牛肉の箱詰め後は、各企業が定めた製品管理番号により管理。

  4. 米側による監査

     パッカーは、輸出プログラムに基づきフィードロットなどの関連施設や牛の供給農家 に対する監査を実施していることを確認。


II.カナダ

  1. 牛の月齢確認

     パッカーでは、と畜前またはと畜直後に耳標を電子的に読み取り、データベースの検索 により20カ月齢以下であることを確認する手順を文書で定め、これに基づき月齢を確認。

  2. 特定危険部位(SRM)の除去

     パッカーで、国内基準や輸出プログラムに基づくSRM除去が確実に実施され、その手 順が文書で定められていることを確認。

     その過程において、ピッシングの禁止や牛枝肉の高温・高圧洗浄などの適切な処理を確認。

     舌は、個体ごとに月齢確認を行う場合には20カ月齢以下と識別するタグが付けられ、へんとうが除去されていた。小腸は日本向けに輸出予定がないため全部廃棄。

  3. 日本向け牛肉の分別/識別

     手順書に基づき適切にほかの牛肉と分別。
     (1)日本向け牛肉には、と畜時に従業員が特定のラベルやスタンプを付けることにより識別。
     (2)食肉処理を操業開始時に行うことや専用の冷蔵・保管場所を設けることなどにより、ほかの牛肉と分別。

飼料規制の順守について

I.米国

 今回の査察において、米国の飼料規制から逸脱した事例は認められなかった。

  1. 牛の供給農家の宣誓書による確認
    牛の供給農家はパッカーに宣誓書を提出。宣誓書には「米国の飼料規制を順守して飼養した」旨記載。
  2. パッカーに併設されたレンダリング施設での順守
    米国政府が立入検査を年1回実施していることを確認。肉骨粉などの製造工程は専用化され、出荷伝票に「反すう動物の飼料に用いてはならない」旨の注意事項を明記。
  3. フィードロットでの順守
    反すう動物への使用が禁止されている肉骨粉などの給与がないことを確認


II.カナダ

 関連する飼料工場、生産農場において、カナダの飼料規制に違反した事実は確認されなかった。

今後対応することとした事項

I.米国

  1. 多くの対日輸出施設では、対日輸出用の部分肉処理作業を作業開始時に実施し、対日輸出用以外の部分肉との分別を図っているが、全ての施設で同様の対応がとられるよう米国政府が指導。

  2. SRMの定義が、日本向け輸出基準と米国の国内規制で異なっていることから、定義の違いだけでなく、処理に当たっての留意事項についても、認定施設の品質マニュアルに明記するよう米国政府から対日認定施設へ通知。

(参考)

米国から日本向けに輸出される牛肉等の家畜衛生条件について

 米国における牛海綿状脳症(BSE)の発生に伴い、同国から日本向けに輸出される牛肉等の取扱いについては、平成15年12月27日付け15消安第4759号により通知したが、今般、本件について、「米国から日本向けに輸出される偶蹄類の動物の肉等の家畜衛生条件について」(平成5年2月4日付け5畜A第155号)のうち牛肉等に係る標記の家畜衛生条件及び輸出検疫証明書様式の一部を改正(平成17年12月12日付け17消安第9467号)することとした。

米国から日本向けに輸出される牛肉および牛の内臓の家畜衛生条件

 米国から日本向けに輸出される牛肉および牛の内臓に適用される家畜衛生条件は、以下のとおりとする。

(定義)
“牛”
 牛科の動物(Bos taurus 、Bos indicus のみ。)
“牛肉および牛の内臓”
 牛肉および牛の内臓は、生鮮あるいは冷凍した部分肉、トリミングおよび内臓からなり、ひき肉、機械的除去肉あるいは肉加工製品は含まれない。牛肉および牛の内臓は牛の頭部(衛生的に除去された舌、ほほ肉を除く。)、へんとう、脊髄、回腸遠位部(盲腸接続部より2メートルの部分。)および脊柱(胸椎横突起、腰椎横突起、仙骨翼および尾椎を除く。)は含まれない。
“日本向け輸出牛肉”
 米国から日本向けに輸出される牛肉および牛の内臓。
“発生”
 当該疾病の臨床症状を示した動物の出現、当該疾病に対する病原体、抗原もしくは抗体が検出されること。
“日本国家畜衛生当局”
 農林水産省消費・安全局動物衛生課。

(一般条件)
1 米国においては、口蹄疫および牛疫の発生がなく、かつ、口蹄疫および牛疫のワクチン接種が法的に禁止されていること。
2 米国においては、口蹄疫および牛疫のワクチン接種を受けた偶蹄類の動物の輸入が禁止されていること。
3 米国政府はBSEの侵入防止、まん延防止および摘発のための措置を継続する。これら措置にはSRM除去、効果的な飼料規制およびサーベイランスプログラムが含まれる。米国政府BSEに関する規則・対策の改廃を行う場合、米国農務省(USDA)は事前に日本国家畜衛生当局に通報すること。

(指定施設の条件)
4 日本向け輸出牛肉を取り扱うためのと畜場および食肉加工施設は、2005年12月12日に有効となった米国農務省輸出証明(EV)プログラム(別紙)および以下の5および6に適合した施設として米国農務省により認定された施設(以下「指定施設」という)であること。
5 米国農務省は、指定施設の名称、所在地および指定番号を、当該施設から日本向け輸出牛肉が輸出される前に、米国農務省農業販売促進局ウェブサイト(http://www.ams.usda.gov/lsg/arc/evjapanlisting.htm)に指定施設の認定リストを掲載することにより日本国家畜衛生当局に通知すること。当該リストは米国農務省により維持され、施設の資格に変更があれば更新される。
6 米国農務省は、日常のモニタリングや定期的な査察により、指定施設が4および5の条件を充足していることの確認を行うこと。指定施設の日常のモニタリングや定期的な査察により米国農務省が4および5の条件に重大な順守違反を発見した場合には、米国農務省は当該指定施設からの日本向け輸出牛肉の証明書発行を直ちに停止するとともに、当該指定施設の名称、所在地および指定番号を日本国家畜衛生当局に通知すること。その後に、米国農務省は当該指定施設の指定を取り消すこと。米国農務省により満足できる是正措置がとられたことが証明され、日本国家畜衛生当局に是正措置について情報提供された後に、米国農務省は指定が取り消された施設を指定施設として再指定することができる。重大な順守違反が繰り返されるようなシステム全般に係る問題により本家畜衛生条件は停止され得る。

(船積みの条件)
7 日本向け輸出牛肉は、指定施設において家畜の伝染性疾病の病原体に汚染されることを防止する方法で取り扱われること。日本向け輸出牛肉は清潔かつ衛生的な包装、カートンボックスなどの容器で梱包されること。
8 米国において口蹄疫および牛疫の発生があった場合は、米国農務省は日本向け輸出牛肉の証明書発行を直ちに停止すること。当該疾病の発生時に日本向け輸出牛肉の証明書発行がなされ日本向け輸送の途中の場合には、米国農務省が当該船積みと当該疾病の発生との関係がないことを明確に示すことができる場合を除き、当該船積みは日本への持ち込みを禁止される。
9 米国農務省は、米国でBSE が発生し、この発生が日本向け輸出牛肉と疫学的に関係がある場合には、このことを関連情報とともに直ちに日本国家畜衛生当局に通報すること。
10 日本向け輸出牛肉が第3国を経由して輸送される場合は、日本向け輸出牛肉は、密閉式の海上または航空コンテナに収容されること。米国農務省は当該コンテナを米国政府の封印で封印し、当該封印は米国以外の地域の封印と明確に識別できるものであること。封印様式については、事前に日本国家畜衛生当局の承認を受けたものであること。当該コンテナの日本国到着時の輸入検査において、当該封印の破損または脱落がある場合には、当該日本向け輸出牛肉の日本への持ち込みが禁止される。

(日本向け輸出牛肉の条件)
11 日本向け輸出牛肉を生産するためにと殺される牛(以下「と殺牛」という。)は、米国で出生し飼養されていたこと、あるいはカナダから合法的に輸入された牛であること、または別添にある第3清浄国から合法的に輸入され米国で飼養された牛であること。
12 と殺牛は、BSEの疑いのある牛あるいはBSEと確認された牛、あるいは国際獣疫事務局の陸生動物衛生規約に定義されたBSE牛の産子あるいは疑いのある産子、またはコホート(同居牛)でないこと。
13 と殺牛は、指定施設におけると畜時に、米国農務省検査官による生前・生後の検査において、異常が無く健康であったこと。
14 日本向け輸出牛肉は、EVプログラムに記載されている要求された要件の全てを充足していること。と殺牛がカナダから合法的に輸入されたものである場合には、EVプログラムの5.2.1.1 項および5.2.1.2 項が20カ月齢以下であることを証明するために適用される。と殺牛がメキシコ以外の第3 清浄国から合法的に輸入され米国で飼養されたものである場合には、EVプログラムの5.2.1.1 項のみが20カ月齢以下であることを証明するために適用される。
15 日本向け輸出牛肉は、日本への船積みまでの間、家畜の伝染性疾病の病原体の汚染を防止する方法で取り扱われること。

(日本政府による査察)
16 日本政府は、指定施設の代表的なサンプルを通じて米国農務省のシステムを評価し、米国農務省の規制条件およびEVプログラムにより取り決められた条件のシステム査察の一部として、HACCPおよびSSOPの記録原簿を査察することができる。家畜衛生条件あるいはEVプログラムで取り決められた条件が指定施設において順守されていないことが発見された場合には米国農務省は当該施設からの日本向け輸出牛肉の証明書発行を直ちに停止する。米国農務省により満足できる是正措置がとられたことが証明され、日本国家畜衛生当局に是正措置について情報提供された後に、米国農務省は指定が取り消された施設を指定施設として再指定することができる。重大な順守違反が繰り返されるようなシステム全般に係る問題により本家畜衛生条件は停止され得る。

(検査証明書の発行)
17 米国農務省は、日本向け輸出牛肉が家畜衛生条件を充足することを確認の上、次の各事項を具体的に記載した英文による日本向け輸出牛肉のための検査証明書を発行すること。
(1)指定施設の名称、所在地および承認番号(処理・加工等が同一指定施設で行われていない場合は、日本向け輸出牛肉を取り扱ったすべての施設について記載すること。)
(2)と畜年月日
(3)検査証明書の発行年月日、発行機関名、発行場所並びに署名者の氏名および肩書き
(4)コンテナの封印の識別番号(前記10の規定に基づき、わが国が承認した封印様式により輸送コンテナが封印されている場合。)
(5)前述11から15までの各事項。
18 この米国から日本向けに輸出される牛肉および牛の内臓の家畜衛生条件は、2005年12月12日から有効とする。

 

別紙

USDA輸出証明(EV)プログラム(案)
:牛肉に関する特定された製品の条件

1.目的

 本文書は、USDAの輸出証明(EV)プログラムの下で、日本向けの米国産牛肉のマーケティングのための特定された製品の条件を規定するものである。さらに、米国産牛肉の日本向けのマーケティングのためのUSDA品質システム評価(QSA)プログラムの追加的条件も併せて規定する。

2.範囲

 本文書は、日本向けに輸出可能な牛肉および牛の内臓を供給する米国の企業、生産者、フィードロット、と畜業者、解体業者(解体業者は、枝肉の半丸や部位の市場向けのカットへの加工を実施)に適用され、これらは、食品安全検査局(FSIS)ウェブサイトに掲載される。企業は、認証されたUSDAの品質システム評価(QSA)プログラムを通じ、EVプログラムの下で日本向けに特定された製品の条件を満たさなければならない。USDAのQSAプログラムのための条件は、ARC1002手順書(手続きおよびQSAプログラム)で定義される。このQSAプログラムは、特定された製品の条件が文書化された品質管理システムによって裏打ちされていることを確保するものである。

 日本向けEVプログラムのためにUSDAのQSAプログラムの認証を受けた企業だけが、EVプログラムの下で日本向けに特定された製品の条件を満たしているとして製品を表示、販売することができる。

3.参照文書

 ARC1000手順書:手続きおよび品質システム証明プログラムの一般的な方針および手続き
 ARC1002手順書:手続きおよびQSAプログラム
 MGC通知709:日本に輸出される牛枝肉の生理学的成熟度の評価
 別添F:生理学的成熟度の判別に係るガイドライン
 米国の牛枝肉格付基準 http://www.ams.usda.gov/lsg/stand/standards/beef-car.pdf
 FSIS Export Library:日本向けred meat(牛肉、豚肉等)の輸出条件
            http://www.ams.usda.gov/lsg/arc/evjapan.htm

4.USDAのQSAプログラムの条件に追加される事項

 セクション5の手順に記載されている特定された製品の条件は、USDAのQSAプログラムの認証を通じて満たされなくてはならない。このQSAプログラムは、特定された製品の条件が文書化された品質管理システム(QMS)によって裏打ちされていることを確保するものである。ARC1002のセクション7(プログラムの条件)に記載された条件に加え、企業は、以下の条件を自身のUSDAのQSAプログラム内で満たす必要がある。
 
 4.1 内部監査
  企業は、計画された期間毎に内部監査を実施しなければならない。
  内部監査は、QMSが、
   a)計画された手順、本手順書の条件および企業によって設けられたQMSの条件のそれぞれに適合しているかどうか、
   b)効果的に実行され、維持されているかどうか
について決定しなければならない。
  企業は、以下の事項を規定する文書化された手順書を整備しなければならない。
   a)監査プログラムの計画については、それまでの監査結果だけでなく、手順と監査の範囲の状態と重要性が考慮されなければならない。
   b)監査の基準、範囲、頻度および手法
   c)監査手順の客観性と公平性を確保するような監査官の選定と監査官の行動(監査官は自身が所属する部署を監査してはならない。)
   d)監査の計画および実行の責任
   e)結果の報告
   f)フォローアップ活動(フォローアップ活動は、実施された行為の証明と証明結果の報告を含まねばならない。)
   g)記録の保存

   監査対象の範囲内において、経営者は検出された不適合とそれらの原因を撲滅するための措置が
  遅滞なく実施されていることを確保しなければならない。

   企業は、内部監査の記録を保存しなければならない。

 4.2 企業に対する供給者のリスト作成
  企業は、以下の事項に係る承認された(企業に対する)供給者のリストを維持しなければならない。
   a)供給者の名称、住所、承認月日を特定すること
   b)USDAが閲覧できるようにすること

5.特定された製品の条件

 5.1 食品安全検査局(FSIS)のウェブサイトに記載されている日本に輸出可能な牛肉および牛の内臓は、施設のHACCPまたは衛生SOPs(標準作業手順)中で規定されている手順で加工されなければならず、以下の部位を衛生的に除去し、これらの組織が日本向けに輸出される食肉製品に混入することを防止しなければならない。
  5.1.1 牛の頭部(舌、ほほ肉を除くが、へんとうを含む)、脊髄、回腸遠位部(盲腸との接続部分から2メートルまでの部分)、脊柱(胸椎横突起、腰椎横突起、仙骨翼および尾椎を除く)

 5.2 輸出可能な製品は、以下のいずれかの方法(5.2.1または5.2.2)を用いて、と畜時において20カ月齢以下の牛由来でなければならない。
  5.2.1 牛は、生体生産記録までさかのぼることが可能でなくてはならない。月齢要件の証明活動は、と畜場、フィードロットおよび生産農場の段階において、提出されたQSAプログラムで要求されているとおり実施されなくてはならない。この条件を証明するために利用される記録は、以下の基準のいずれかを満たさなければならない。(5.2.1.1から5.2.1.3)
   5.2.1.1 個体月齢証明
    5.2.1.1.1 家畜は個体特有の識別を施されていなければならない。
    5.2.1.1.2 記録は、個々の家畜について生産農場の記録までさかのぼるのに十分でなくてはならない。
    5.2.1.1.3 記録は、当該家畜の実際の出生日を示すものであって、プログラムを通じ個々の家畜に携行されなくてはならない。
   5.2.1.2 集団月齢証明
    5.2.1.2.1 単一の群に属し、同じ繁殖季節内に出生した全ての家畜は、個体ごとに標識が施されていなければならない。
    5.2.1.2.2 記録は、繁殖季節において最初の子牛が実際に出生した日を示すものでなくてはならない。
    5.2.1.2.3 群に属する全ての子牛の月齢は、当該群の最初に生まれた子牛の実際の出生日に由来しなければならない。
    5.2.1.2.4 種雄牛が雌牛群との接触を許された日を示す記録は、5.2.1.2.2で規定される集団に属する家畜の中で最も高い月齢を証明する補足的手段として用いることができる。

   5.2.1.3 USDAの工程証明プログラムおよびUSDAの品質管理評価プログラム
    5.2.1.3.1 USDAの工程証明(PV)プログラムは、月齢証明を工程証明ポイントとして5.2.1.1および5.2.1.2に規定されたとおりに含まねばならない。
    5.2.1.3.2 フィードロットおよび生産農場向けのUSDAの品質システム評価(QSA)プログラムは、特定された製品の条件として月齢証明を5.2.1.1および5.2.1.2に規定されたとおりに含まねばならない。
    5.2.1.3.3 全ての家畜は個体毎に標識が施されていなければならない。

  5.2.2 枝肉の格付を通じた月齢証明
と畜場における公式なUSDAの格付は提出されたQSAプログラムの条件通りに行われ、かつ、以下のそれぞれの基準(5.2.2.1、5.2.2.2および5.2.2.3)に適合しなければならない。
   5.2.2.1 牛は、公式なUSDAの格付により生理学的成熟度A40かそれより若いと決定されなければならない。公式なUSDAの格付は、米国の牛枝肉格付基準および成熱度Aにおける成熟度の特徴(別添F:生理学的成熟度の判別係るガイドライン)を用いて決定されなければならない。
   5.2.2.2 USDAの格付員は、評価の適正さを確保するため、食肉格付証明(MGC)課通知709に概説されているとおり、生理学的成熟度の決定に用いられる適正パフォーマンス基準に適合するかまたは上回らなければならない。
   5.2.2.3 USDAの格付員は、日本に輸出されるA40またはそれより若いと決定された各々の枝肉の決定要素(骨、肉色および総合的な成熟度)それぞれについて記録を保存しなければならない。

 5.3 識別要件
  5.3.1 5.2.1および5.2.2に適合するすべての枝肉は個別に識別されなければならない。「枝肉の格付を通じた月齢証明」に適合する枝肉は、熟練度がテストされたUSDAの格付員によって格付され、認証された段階で標識されなければならない。これらの識別の標識は、プロセスと製品の一貫性を確保するため、加工、包装、保管および出荷を通じ、維持されなければならない。
  5.3.2 出荷時の書類(船荷証券、積荷目録または保証書)は、「製品は日本向けEVプログラムの要件に適合している。」という記述を含み、製品と製品の量を明確に特定するものでなければならない。
  5.3.3 要件を満たすサプライヤーによって生産され、日本向けEVプログラムに適合すると認められた要件を満たす製品は、「製品は日本向けのEVプログラムの要件に適合している。」という記述を含むFSISの輸出証明を受けることができる。

6.認証プログラムのリストの作成

 日本向けに特定された製品の条件を満たすUSDAのQSAプログラムの認証を受けた米国企業のみが、日本向け輸出証明(EV)プログラムにおいて資格のある企業の公式リストに記載される。

7.責任

 米国企業は、本手順書、ARC1000手順書(手続きおよび品質システム証明プログラムの一般的な方針および手続き)およびARC1002手順書(手続きおよびQSAプログラム)に記載された全ての方針および手続きに適合する必要がある。


【別添:第3清浄国】
 牛肉および牛肉製品の第3清浄国リスト(2004年4月21日付けで農林水産省が定めたもの)
ノルウェー、ハンガリー、アイスランド、メキシコ、ベリーズ、グアテマラ、ホンジュラス、エル・サルバドル、ニカラグア、コスタ・リカ、パナマ、ドミニカ共和国、チリ、北マリアナ諸島、ニュージーランド、バヌアツ、ニューカレドニア、豪州

 


元のページに戻る