◎地域便り


東京都●もっとおいしく、楽しく、国産ナチュラルチーズ
    ―第5回ALL JAPAN ナチュラルチーズコンテストから―

調査情報部 


 ALL JAPAN ナチュラルチーズコンテストが11月29日、東京ドームホテル(東京都文京区)で開催された。国産ナチュラルチーズの製造技術の向上と日本人のし好、気候に合ったチーズづくりの探求を目的として、社団法人中央酪農会議が主催する国産ナチュラルチーズの国内最大規模のコンテストである。

 チーズ鑑定専門家の村山 重信氏をはじめとする専門家による厳正な審査の結果、(財)蔵王酪農センターの「ブルーチーズ」が、農林水産省生産局長賞およびソフト部門の金賞に冨田ファームの「冨夢」が、独立行政法人農畜産業振興機構理事長賞およびハード部門の金賞にそれぞれ輝いた。また、フレッシュ部門の金賞にらくのうマザーズ阿蘇ミルク牧場の「リコッタチーズ」が選ばれた。さらに今回は、それぞれの品質向上が目覚ましく、小差の中で、52社(団体)115作品中3品の選出では、あまりにも苦渋の審査であったことから、(有)十勝野フロマージュの「ブリーチーズ」に審査員特別賞が授与された。

 村山委員長の総評は、(1)出品される作品の品質が年々高まっており、受賞した作品とそれ以外との差はわずかであったが、票が割れることはなかった、(2)ALL JAPANだけではなくインターナショナルでも十分戦える高い品質であること、(3)国産ナチュラルチーズの生産技術の向上は着実に進んでいるとの評価であった。また日本人好みのチーズとは塩気がまろやかなもの、苦みのないものであり、塩分、苦みの消し方がこれからの課題であろう(江上審査員)との寸評もあった。

 今回、紅一点で金賞を受賞された冨田ファームの冨田佳子さんに今回の受賞チーズ作りについてインタビューした。

☆生乳の供給はどうしていますか。

 200頭の牛を飼養する冨田ファームの自家産牛乳。化学肥料を使用せずに育った牧草を食べた牛たちは、濃くて甘みのある素晴らしい牛乳を生み出してくれます。

☆ 主に製造を手がけたのはどなたでしょうか。工夫した点はどこですか。

 私です。チーズ作りを始めて日が浅いので、経験差を埋めるため、小さなチーズバットで何度も試作を繰り返し、細かなデータをとりました。熟成期間が長く、乾拭きの手入れが重要です。

☆ チーズ作りの勉強はどこでしましたか。

 バイオ研究の第一人者である冨田房雄(元北海道大学教授)が大叔父にあたり製造所の衛生管理や技術者の紹介をうけることができました。また、国内外の生産者の方々の所へ足を運んだり、自工房へ招いて指導していただきました。

☆ チーズ作りのこだわりは、また、PRはどのようにしていますか。

 原料乳が、衛生的で質が良い自家産乳であることです。製品のPRはHP・新聞雑誌などでも行っています。また、関係団体や牧場に来てくださったお客様に直接紹介しています。

 冨田ファーム牧場の「冨夢」は、18カ月ねかせたハードタイプのチーズで、苦みが気にならず、かめば芳ばしい香りがするチーズで素晴らしい味であった。ナチュラルチーズといえばフレッシュ、ソフトタイプのクリームチーズやカマンベールチーズがスタンダードであるが、芳純な薫りと深い味わいのあるハードタイプも着実に根づきつつあると感じた。


ハードタイプ部門で金賞を受賞した「冨夢」
受賞を喜ぶ佳子さん(右)とコンテストの応援に駆けつけた叔母の千葉恵美子さん

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