★ 機構から


米国産牛肉に関する意向調査について

食肉生産流通部食肉課


はじめに

 当機構は、食肉卸売業者、量販店を対象に米国産牛肉の取り扱いについての意向調査を実施したので、その概要について紹介する。

 調査は、日米両政府間で米国産牛肉の輸入手続の再開について認識が共有された6月21日後の7月上旬に行った。

 この時点では、米国産牛肉の価格、品質が不明なこと、また何よりも米国産牛肉への消費者の反応が不透明なことから、各調査ともに平成17年11月に実施した前回調査結果と比較して、より慎重な姿勢が示される結果となった。


1 量販店は4割が「扱う予定なし」

 全国の量販店を対象に輸入再開後の米国産牛肉の取扱意向を尋ねたところ(回答25社)、「早く取り扱いたい」は0%、最も多いのは「しばらく様子を見たい」の44%、次いで「扱う予定なし」が40%であった。

量販店の米国産牛取り扱いに関する意向


 前回調査結果との比較では「早く取り扱いたい」は4%から0%に減少する一方、「扱う予定なし」は8%から40%に増加しており、米国産牛肉の取り扱いについては、より慎重な姿勢が目立つ結果となった。

 「しばらく様子を見たい」と答えた者の理由については、「お客様が受け入れるかどうか不明」が44%、次いで「品質・価格が不明なので」が12%であった。また、「その他」の具体的理由として2社については「米国産牛肉について安全性の確認できるまで」を挙げた。

「しばらく様子を見たい」の理由(複数回答)


 米国産牛肉の取扱割合については、輸入停止以前との比較で、豪州産が倍増し、米国産を補完(量的に見れば豚肉などによる代替もあるが)している。今回、6カ月後の見通しについて尋ねたところ、現状とほぼ変わらず、0%との回答が多く米国産牛肉の取扱割合はわずかに1%にとどまった(0%〜10%の回答の単純平均)。


量販店の牛肉の種類別取扱割合(単純平均)


2 食肉卸売業者も積極的な取り扱いは後退

(1)しばらく様子を見たいが44%

 全国の食肉卸売業者を対象に米国産牛肉の輸入再開後の取扱意向を尋ねたところ(牛肉を扱う者、回答数16社)、「早く取り扱いたい」が25%、「しばらく様子を見たい」が44%であった。

 前回調査結果との比較では「早く取り扱いたい」は35%から25%に減少する一方、「しばらく様子を見たい」が35%から44%に、「取り扱わない」は0%から12%にそれぞれ増加した。取引先である量販店の動向を反映するように、卸部門としても、前回調査に比べて米国産の取扱意向が後退するような結果となった。

食肉卸売業者の米国産牛取り扱いに関する意向


(2)外食・業務筋は3割弱が使用に前向き

 食肉卸売業者の販売先としての外食・業務筋の意向は、「しばらく様子を見るところが多い」が53%と最も多いが、「具体的な商談に入っている」も27%あり、外食・業務筋については3割弱が米国産牛肉の使用に前向きな意向を示していると言える。

 「具体的な商談に入っている」とした外食・業務筋の主な業種としては、焼肉店が最も多く(43%)、牛丼店、しゃぶしゃぶ・すき焼き店、弁当販売などがこれに続く。

取引先外食・業務筋の意向


 同様の量販店の意向は、88%が「しばらく様子を見るところが多い」としている。

取引先量販店の意向


(3)使用希望部位はばら、タンが大半

 量販店、外食・業務筋の別に米国産牛肉の要望の多い部位については、ともにばらおよびタンで全体の7割を占める。

要望の多い部位(複数回答)


(4)6カ月後には、8%が取り扱いを希望
 米国産牛肉の取扱割合については、輸入停止以前との比較で、量販店と同様に、豪州産が大きく増加して米国産を補完している。

 調査時点から6カ月後の見通しについては、米国産牛肉の取扱意向は1〜30%の単純平均で8%と、量販店よりは高いものとなった。

食肉卸売り業者の牛肉の種類別取扱割合


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