5月の需給動向

調査情報部調査情報第一課

国内の主要畜産物の短期需給動向を毎月トレースします
・原データは、巻末の参考資料を参照してください。
・()内の数値は、対前年増減率です。

  • ◇牛肉 黒毛和種の肉用子牛取引価格、41カ月ぶりに前年同月を下回る

     当機構調べによる5月の肉用子牛の取引価格を見ると、雌雄平均で黒毛和種が49万2千円(▲1.6%)、ホルスタイン種が11万5千円(▲2.6%)、交雑種が23万9千円(▲14.2%)といずれも前年同月を下回った。黒毛和種の子牛取引価格は、子牛の取引頭数がわずかな増加にとどまる中、枝肉卸売価格が高値で推移していることから、16年1月以降、前年同月を上回っていた。しかし、昨年冬以降は、和牛枝肉卸売価格が上位規格を除き、下げ基調に転じたことなどを背景に、41カ月ぶりに前年同月を下回った。
  • ◇豚 肉 冷蔵品輸入量、10カ月連続で前年同月を上回る

     貿易統計による5月の豚肉輸入量は71,569トン(6.4%)となり、3カ月ぶりに前年同月を上回った。豚肉輸入量は特に冷凍品が、平成16年度の67万トンをピークに減少しているものの、一方で冷蔵品はシェアが徐々に伸びており、18年度は前年度に比べ6ポイント増加の30%に達している。冷蔵品の主要輸入先は米国、カナダであり、5月はそれぞれ14,261トン(14.0%)、5,268トン(25.7%)と前年同月を上回っている。また、17年4月にEPAが発効しているメキシコが1,260トン(66.7%)となり、北米全体からの輸入が増加している。
  • ◇鶏 肉 ブラジル産鶏肉輸入量、4ヵ月ぶりに3万トン台に

     5月の鶏肉輸入量は35,338トン(▲11.1%)と12ヵ月連続で前年同月を下回った。これを国別シェアで見ると、ブラジル94%、米国5%となっており、ブラジルに一極集中している。5月のブラジルからの鶏肉輸入量は33,230トンと前年同月を8.3%下回ったものの、4ヵ月ぶりに3万トン台となった。

     しかし、輸入品の推定出回り量も2ヵ月連続して3万トン台を維持しており、この結果、輸入品の在庫数量は90,376トンと前年同月比29.5%減となり、6ヵ月連続で前年同月を下回る月が続いている。
  • ◇牛乳・乳製品 ナチュラルチーズ生産量、輸入量ともに前年同月を上回る

     5月のチーズ生産量は3カ月連続で前年同月を上回る9,866トン(2.8%)となり、うち直接消費用ナチュラルチーズの生産量は、1,397トン(10.1%)となった。特に直接消費用ナチュラルチーズの生産量は、18年4月以降、ほとんどの月で前年同月を上回って推移している。ナチュラルチーズは、好調な国内需要に支えられ、輸入量も増加傾向で推移しており、5月のナチュラルチーズ輸入量は、前年同月を大幅に上回る18,485トン(22.7%)となった。
  • ◇鶏 卵 卸売価格(東京・M)は、下押し続く

     5月の鶏卵の卸売価格(東京・M)は1キログラム当たり168円となり、前月と同価格で前年同月を8.7%下回った。

     卸売価格は19年3月までは8カ月連続で前年同月を上回り、高い水準で推移していたが、新年度に入ってからは価格が低下傾向で推移している。
  • ◇飼 料 飼料用トウモロコシの輸入量、前年同月を11.3%下回る

     5月の飼料用トウモロコシの輸入量は、879,689トン(▲11.3%)となり、7カ月連続で前年同月を下回った。主要輸入相手先である米国からの輸入量は、特に1月以降は前年同月を大幅に下回る水準で推移しており、5月は848,492トン(▲14.0%)となった。一方、中国からは、全体輸入量の2%程度にすぎないものの、1月以降前年同月を2〜3倍上回る数量が輸入されており、5月の輸入量は22,494トン(358.1%)となった。

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