★ 機構から


平成20年度の畜産業振興事業の概要

畜産振興部


 当機構は、平成20年2月21日に開催された食料・農業・農村政策審議会畜産部会での、建議および畜産をめぐる情勢を踏まえた農林水産省からの要請を受け、平成20年度畜産業振興事業を実施することとしている。

 なお、平成20年度畜産業振興事業の実施に当たっては、事業実施主体公募制の導入を行うことにより、事業実施主体選定に係る透明性を確保するほか、事業の効率的・効果的な実施に努めていく所存である。

 本年度の畜産物価格決定に伴う関連対策は、配合飼料価格の上昇に対応して「酪農家支援のための緊 急対策」、「肉用牛農家支援のための緊急対策」、「養豚農家支援のための緊急対策」、「畜産・酪農農家支援のための緊急融資対策等」、「自給飼料基盤強化のための緊急対策」の5項目の緊急対策が措置されたほか、価格関連の一般対策が措置されたところである。本稿では、以上の5項目の緊急対策を中心としてその概要を紹介することとしたい。(なお、金額は所要額である。)

1 酪農家支援のための緊急対策

(1)都府県酪農緊急経営強化対策事業 (新規)   9,184百万円

ア 都府県酪農緊急経営強化支援事業
  酪農経営強化計画(3カ年計画)に基づいた取組を実施する酪農家に対し、四半期毎に「酪農緊急経営強化支援交付金(経産牛1頭当たり16,500円/年以内)」を交付する(単年度限り)。

酪農経営強化計画の内容
 a自給飼料の生産拡大、b飼養管理の改善、c肉用牛部門の導入など

  また、全国会議・ブロック会議などの開催、取組を実施する酪農家指導などに対する補助を行う。

イ 酪農飼料基盤確保推進事業
  酪農家、乳業者、行政関係などが一体となって、飼料自給率向上などの目標の策定を行うとともに、自給飼料を有効に活用している優良事例の調査などを実施する。

  また、乳業者は、自給飼料生産拡大などの取組を実施する酪農家に対し、側面的な支援に努める。

(2)生乳計画生産円滑化支援事業(飲用牛乳向け需要低迷時のセーフティネット対策)(新規)   1,225百万円

  生産者団体が実施する、牛乳の値上げによる消費減に伴い飲用牛乳向けが減少(その他向けの用途が増加)した指定生乳生産者団体に対する「とも補償」を支援する。

○補てん金 平均減少率を超える減少分    20円/キログラム
        平均減少率以内の減少分    10円/キログラム以内
○拠出金額 生産者団体 飲用牛乳向け   1キログラム当たり10銭
        助成金   飲用牛乳向け    1キログラム当たり30銭

(3)広域指定団体新規需要開発支援事業(飲用牛乳向け需要低迷時のセーフティネット対策)(新規)   412百万円

  全国連が新たな脱脂乳の需要を開発し、当該需要向けの生乳を供給する場合に奨励金(10円/キログラム)を交付する。

  全国連が脱脂乳を新たに供給するために必要な施設を乳業工場に整備する場合に助成する。

(4)加工原料乳確保特別事業(生乳需給関連対策の強化)(新規)   1,392百万円

  一過性の需要に対応して加工原料乳を生産する指定生乳生産者団体(農薬および動物用医薬品などの使用の記帳・記録の確認を行っている指定生乳生産者団体に限る)に対し、加工原料乳生産者補給金相当額を交付する。

  対象生乳:一過性の需要に対応した加工原料乳
   (限度数量と合わせ最大207万トン)
  交付金単価:11.55円/kg

(5)生乳需要構造改革事業(生乳需給関連対策の強化) 9,637百万円

 指定生乳生産者団体が、チーズ、液状乳製品および発酵乳向け生乳を、基準となる数量を上回って供給した場合に奨励金(新規拡大分12円/キログラム、増加実績分10円/キログラム)を交付する。

(6)酪農生産基盤改善支援対策事業(酪農生産性向上対策)(拡充)   751百万円

(1) 優良種畜の高度利用による遺伝的能力の向上(能力の高い牛づくり)

 ア 能力の高い乳用牛群を効率的に生産するための地域段階での検討会などの実施
 イ 生涯生産性の向上に不可欠な体型に関する遺伝的改良に必要なデータ収集
 ウ 乳用牛群の遺伝的能力を向上させるため、優良受精卵や供卵牛などの導入や高度な繁殖技術を活用する取組への支援

(2) 生産性の向上に資する飼養管理技術の改善(丈夫で健康な牛づくり)

 ア 乳用牛の飼養管理技術の改善に取り組む際に必要な飼料給与情報、繁殖情報等の収集
 イ 収集した飼料給与情報や遺伝的能力情報などに基づく適切な技術指導の実施
 ウ 技術指導員の研修の実施
 エ 乳量、乳質の改善指導に資する機材の導入

(7)酪農飼料基盤拡大推進事業(拡充)   5,446百万円

 環境と調和した酪農経営の確立に資するため、経産牛1頭当たりの飼料作付面積が基準面積(北海道40アール/頭、都府県10アール/頭)以上であり、環境保全、飼料自給率の向上に資する取組を実践している生産者に対し、飼料作物作付面積に応じた奨励金を交付する。

(1) 環境保全、飼料自給率の向上に資する取組みを実施する酪農経営への支援(下記の取組みのうち、いずれか一つ)
 ・デントコーン・ソルガムの作付かつスラリーの土中施用の実施
 ・不耕起栽培の実施かつスラリーの土中施用の実施
 ・無化学肥料栽培の実施
 ・無農薬栽培の実施
 ・緩衝帯の設置による環境保全
 ・その他都道府県知事が特別に認める取組みの実施
  @7,500円/ヘクタール

(2) (1)の取組みに加え、飼養管理の変更による一層の環境負荷軽減、飼料自給率向上に取り組む酪農経営への支援(下記の取組みのうち、いずれか一つ)
 ・濃厚飼料給与量の低減
 ・経産牛飼養頭数の削減
 ・放牧の実施
 ・TMR(完全混合飼料)給与の実施
  @8,000円/ヘクタール

2 肉用牛農家支援のための緊急対策

(1)肥育牛生産者収益性低下緊急対策事業(マルキン事業補完対策)(新規)   3,995百万円

(1) 全国平均で品種区分ごとの肥育牛1頭当たりの四半期推定所得がマイナス(粗収益が家族労働費を除く生産費を下回ること)となった場合、肉用牛肥育経営安定対策事業(マルキン事業)の契約生産者であって、生産性向上に計画的に取り組む肥育牛生産者に対して、そのマイナス分の6割(補てん率80%×国の負担分3/4)について補てんを行う。

(2) (1)の事業の円滑な推進のため、生産性向上のための検討会の開催や指導などを行う。

(2)肉用牛生産性向上緊急対策事業(新規)   1,192百万円

(1) 肉用牛生産性向上推進対策
  肉用牛生産性向上目標設定のための検討会や技術普及のための研修会の開催、現地指導などの実施

(2) 肉用牛生産性向上対策
  地域における肉用牛生産性向上目標の達成に必要な器具機材の整備などを支援

 ア 雌牛繁殖性向上対策
   分娩間隔短縮や受胎率向上など繁殖性の向上を図るため、種付けおよび分娩の繁殖情報などの収集分析、発情発見器や発情同期剤などの導入

 イ 肉用牛事故率低下対策
   肉用牛の事故率低下による生産性の向上を図るため、分娩監視装置、冷却用細霧装置、集団哺育用パイプハウス牛舎、衛生資材などの導入

(3)肉用牛繁殖基盤強化総合対策事業   4,451百万円

(1) 新規参入円滑化等対策
  繁殖経営への新規参入を促進するため、農協などが飼養管理施設などの整備を行い、新規参入者等に貸し付けを行う場合に支援を行う。

(2) 肉用牛改良増殖強化対策
  優良種雄牛の作出および広域利用のため、優良な育種資源の確保・利用、集中的な後代検定などを行う。

(3) 肉用牛繁殖雌牛能力評価等対策
  繁殖雌牛などの能力評価の推進のため、枝肉情報の収集、分析、提供などを行うとともに、候補種雄牛生産のための優良雌牛の確保、後代検定推進のための普及啓発および広域的な種雄牛評価の推進等を行う。

(4) 肉用牛増頭強化対策
  繁殖雌牛の増頭を強力に推進するため、生産者集団などが自ら増頭目標などを含む地域増頭計画を策定し、この目標の達成に向けた取組について総合的に支援を行う。

 a繁殖雌牛導入推進
 b酪農経営を活用した肉用牛増頭
 c円滑な雌牛継承
 d増頭に資する器具機材などの導入
 e遊休農地などを活用した放牧推進
 f公共牧場草地資源利活用促進

(5) 地域の特色ある肉用牛振興対策
  地域の特色ある肉用牛振興を図るための取組などの支援を実施。

(6) 肉用牛振興推進指導
  上記事業((1)および(2)を除く。)の推進に必要な推進会議の開催、計画の策定、連絡調整、調査、指導、研修などを行うとともに、酪農地域や水田地域など、新たに肉用牛生産に取り組む地域における技術指導などを実施。

3 養豚農家支援のための緊急対策

(1)肉豚価格差補てん緊急支援特別対策事業(地域肉豚事業に係る基金を活用した緊急経営支援対策)(組替新規)   6,176百万円

(1) 肉豚価格差補てん緊急支援事業
  道府県単位で生産者など自らが自主的に実施している肉豚価格差補てん事業について、各道府県団体が地域保証価格(肉豚価格がこの価格を下回ったときに生産者積立金により補てん金の交付が行われる価格)の引上げを行う場合に要する生産者積立金の積み増し原資の一部を地域肉豚生産安定基金から供給する。

※ 各道府県において、地域肉豚生産安定基金からの資金供給によっても生産者積立金が枯渇した場合は、補てん金は交付されない仕組みとする。

  なお、補てん金の交付対象者は、肉豚価格差補てん事業の契約生産者であって生産性向上に計画的に取り組む者とする。

(2) 肉豚価格差補てん緊急支援推進事業
  (1)の事業の円滑な推進を図るための推進会議の開催、連絡調整、指導などを行う。

(2)養豚生産性向上緊急対策事業(繁殖性向上、事故率低減等のための対策)(新規)   1,161百万円

(1) 生産性向上推進指導
  豚生産性向上目標設定などのための検討会や技術普及のための講習会の開催、現地指導などを行う。

(2) 生産性向上促進対策
  地域における豚生産性向上目標や衛生プログラムの達成などに向けた以下の取組を支援する。

 ア 事故率低減対策
   地域防疫対策の確立、病原体の侵入・まん延防止(オールインオールアウト方式の導入など)の徹底など

 イ 繁殖性向上対策
   豚人工授精の普及、早期妊娠診断の実施など

 ウ 労働生産性等の向上対策
   個体管理の徹底、飼料給与方式の改善など

(3)地域養豚振興特別対策事業(種豚の改良、銘柄豚の生 産等を推進する養豚振興対策)(組替)   662百万円

(1) 地域養豚振興促進
 ア 豚改良体制再編整備推進
   組織的な改良および優良種豚の確保・効率的利用体制を構築するため、能力検定の推進、多様な特性を有する育種資源(純粋種)の確保、不良遺伝形質の排除などによる肉質改善の推進等を行う。

 イ 地域資源活用等銘柄化確立推進
   新たに地域の未利用資源を活用するなどして、生産性を高めつつ、高付加価値化を図るための銘柄豚の生産体制の確立に向けた組織的な取組を行う。

(2) 養豚振興推進指導
  (1)の事業の円滑な推進に必要な計画の策定、地域における課題の検討、調査、指導などを行う。

4 畜産・酪農農家支援のための緊急融資対策等

(1)家畜飼料特別支援資金融通事業(拡充)   680億円(融資枠)

(1) 配合飼料価格(補てん金を除く農家実質負担価格)が上昇し、畜産経営の経営努力を踏まえても、生産費が収益を上回るような水準(指標として単位当たり配合飼料価格の水準を設定)となった場合、限度額の範囲内において畜産経営に対する飼料購入資金の融通を行う融資機関に対して利子補給を行う。

 ア 資金の使途 飼料費
 イ 貸付利率  1.30%(平成20年2月21日現在)
 ウ 償還期限  10年(うち据置期間3年)以内
 エ 貸付限度額

   ア 牛 肥育牛:40千円/頭
     乳用牛  :30千円/頭
     繁殖雌牛 :8千円/頭
   イ 豚    :8千円/頭
   ウ 鶏    :40千円/100羽

 オ 利子補給率 農業近代化資金の基準金利と貸付利率との差
 カ 融資機関  農協、農協連、農林中央金庫、銀行、信用金庫

(2) 都道府県農業信用基金協会が行う債務保証に対して支援を行う。

(2)畜産経営生産性向上支援リース事業(畜産・酪農生産性向上のための個人向け補助付きリース事業)(新規)   13,409百万円

  畜産経営の生産性向上を図るために必要な機械などを畜産農家など(貸付対象者)にリースする事業実施主体に対し、当該機械などの購入費の1/3を助成する。

 (貸付対象者は、対象機械などを2/3の費用でリース方式により導入。)

 <貸付対象機械>
   畜産経営の生産性向上に資する機械などとして以下に掲げるもの

  (1) 生産効率向上に資する機械など(通風装置、飼料攪拌機、細霧装置 等)
  (2) 労働力軽減に資する機械など(自動哺育機、自動給餌機、自動搾乳装置 等)
  (3) 飼料費低減等に資する機械など(飼料収穫機、飼料梱包機、飼料貯蔵施設、エコフィード給餌装置 等)

(3)大家畜特別支援資金融通事業(牛農家特別支援資金融通事業)(新規)   400億円(融資枠)

(1) 酪農および肉用牛経営に対して長期・低利の借換資金の融通を行う農協など融資機関に対して利子補給を行うとともに、保証基盤の拡充を行う。

 ア 経営改善資金
   毎年の約定償還額のうち当該年度において償還が困難なものを借り換える(ローリング方式)資金の融通など

 イ 経営継承資金
   後継者が親などから大家畜経営を継承する場合に、必要な範囲で負債を一括して借り換える資金の融通

 ウ 保証基盤の拡充
   上記ア、イの資金を円滑に融通するため保証基盤の拡充

 エ 貸付対象者
  a 経営改善資金
    「経営改善計画」を作成し、都道府県知事の承認を受けた経営

  b 経営継承資金
    資金借受後に後継者が経営を継承する経営で「経営改善計画」を作成し、都道府県知事の承認を受けた経営

 オ 償還期間等(平成20年2月21日現在)
    下表のとおり


(2) 飼料・原油高に対する緊急対策(20年度のみ)
 ア 既存資金の条件緩和
   貸付金利3%を超える既存畜特資金の金利相当額の助成

 イ 新たな資金調達手法の確立
   家畜を担保とした資金調達手法の早急な確立

(4)養豚特別支援資金融通事業(豚農家特別支援資金融通事業)(新規)   50億円(融資枠)

(1) 養豚経営に対して長期・低利の借換資金の融通を行う農協等融資機関に対して利子補給を行うとともに、保証基盤の拡充を行う。

 ア 経営改善資金
   毎年の約定償還額のうち当該年度において償還が困難なものを借り換える(ローリング方式)資金の融通など

 イ 経営継承資金
   後継者が親などから大家畜経営を継承する場合に、必要な範囲で負債を一括して借り換える資金の融通

 ウ 保証基盤の拡充
   上記ア、イの資金を円滑に融通するため保証基盤の拡充

 エ 貸付対象者
  a 経営改善資金
    「経営改善計画」を作成し、都道府県知事の承認を受けた経営

  b 経営継承資金
    資金借受後に後継者が経営を継承する経営で「経営改善計画」を作成し、都道府県知事の承認を受けた経営

 オ 償還期間等(平成20年2月21日現在)
    下表のとおり


(2) 飼料・原油高に対する緊急対策(20年度のみ)
  既存資金の条件緩和
  貸付金利3%を超える既存畜特資金の金利相当額の助成

(5)飼料価格高騰等理解醸成緊急対策事業(新規)   178百万円

(1) 推進協議会などの開催
  飼料価格の高騰や生産者の生産性向上の取組などについて、生産者、加工・流通業者および消費者の間で認識や理解を共有するため、全国段階における中央推進協議会、地方段階における地方推進協議会などを開催する。

(2) 広報啓発活動への支援
 ア 生産者団体などの活動への支援
   生産者団体などが行うポスターやパンフレットを用いたキャンペーン、街頭宣伝などの広報啓発活動に対し助成する。

 イ 卸・小売団体などの活動への支援
   卸・小売団体や生協などが行う、畜産物の値上げに対する理解醸成のための活動に対し助成する。

5 自給飼料基盤強化のための緊急対策

(1)国産飼料資源活用促進総合対策事業(飼料米導入定着化緊急対策、エコフィード等利用促進対策、自給飼料増産緊急対策)(拡充)   6,867百万円

(1) 青刈とうもろこし生産緊急拡大事業(自給飼料増産緊急対策)(新規)

  現在飼料作物以外が作付けられている畑地や耕作放棄地において、新たに青刈とうもろこしやソルガムといった高栄養飼料作物を作付ける場合、取組面積に応じて、助成金(12千円/10アール)を交付する。

(2) 飼料増産受託システム拡大緊急対策事業(自給飼料増産緊急対策)(拡充)

 ア 長大作物生産の緊急推進
   青刈りとうもろこしなど長大作物の緊急的生産拡大についての飼料生産の受託を緊急に推進するため、長大作物の作業受託面積を3年間拡大するコントラクターに対し、単年度に限り、長大作物の作付作業および収穫作業について、緊急支援を行う。

 イ コントラクター業務平準化促進(受託作業種目の拡充)
   コントラクターの育成・定着を図るための受託面積に応じた助成について、飼料用稲の作付作業、飼料用米の収穫作業などを補助対象受託作業種目に新たに追加する。

(3) 飼料用米導入定着化緊急対策事業(拡充)

 ア 飼料用米の利用拡大を図るための検討会を開催する。
 イ 飼料用米の利活用に関する実態調査を実施する。
 ウ 飼料用米(対象:20年産)の利活用をモデル実証するのに必要な経費に対し助成を行う。
 エ 飼料用米を主食用米と区分して円滑に流通するため、必要となる機械施設の整備を支援する。
 オ 配合飼料原料として飼料用米などの利用を促進するため、必要となる機械施設の整備を支援する。

(4) 粗飼料自給率向上総合対策事業(拡充)

 ア 高位生産草地などへの転換促進
   生産性の低下が懸念される草地の高位生産草地などへの転換を促進する。

 イ 粗飼料の効率的利用推進
   放牧による効率的な飼料利用を推進するため、放牧を行う生産者集団に対する支援を行うとともに、放牧経験牛の貸し出し(レンタカウ)を行う仕組みを地域に構築する。

 ウ 飼料作物種子の安定供給
   飼料作物種子の増殖保管を行うとともに、稲発酵粗飼料用等の生産拡大に応じた専用品種の種子の供給体制を緊急に整備する。

(5) 未活用資源飼料化促進事業(エコフィード等利用促進対策)(拡充)

 ア 地域エコフィード利用体制確立支援(拡充)
   地域での未活用資源の飼料利用を進めるため、関係者による連携、地域情報の分析などを行うとともに、食品残さの飼料化を事業化しようとする地域的取り組みを確実に成功に導くため、専門技術・知識の習得を図る地域研修会の開催及び事業化に必要な検討・助言を担う専門技術者を地域に設置する。

 イ 未活用・低利用資源の飼料化促進
   小規模店の豆腐かす、パンくずなどの低利用資源やDDGSなど新たな飼料原料の掘り起こしとともに、実証試験などによる利用方法の検討、活用のための技術マニュアルの作成を行い、未活用・低利用資源の飼料化を促進する。

(6) 畜産生産性向上促進総合対策事業(拡充)

 ア 普及推進検討会の開催
   全国およびブロック段階において、飼養技術の普及などによる家畜の生産性向上を推進するため、関係者から構成される普及推進検討会を開催する。

 イ 地域勉強会の開催
   地域段階において、生産者などを対象とした飼養管理技術等に関する勉強会を開催する。

 ウ 相談窓口の設置、地域における畜産農家の助言・指導

  a 相談窓口の設置
    畜産農家などからの相談に迅速かつ的確に対応するため、地域に相談員を配置し、畜産農家に対して、当該相談員が助言や指導、他関係機関・団体との連絡・調整を行う。

  b 地域における畜産農家の助言・指導
    相談員が畜産農家を個別訪問し、個々の状況を点検・分析し、生産性向上に係る助言・指導を行う。

 エ 先行事例調査・分析
   既に地域で取り組んでいる事例について、技術の詳細、経営への効果等について調査・分析を行い、その結果を他の畜産農家に普及する。

 オ 技術普及用パンフレットなどの作成・配布
   家畜の生産性向上のための飼養技術などに関するパンフレットなどを作成・配布する。

 なお、上記の緊急対策のほか、価格関連一般対策を含めた詳細については、当機構のホームページにPR版や事業実施要綱などを掲載することとしておりますので、ご覧ください。

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