需給動向 海外

◆豪 州◆

2007/08年度の乳製品輸出額は前年度を13.9%上回る


◇絵でみる需給動向◇


輸出量は減少する一方、輸出単価が大幅に上昇

  デイリーオーストラリア(DA)によると、2007/08年度(2007年7月〜2008年6月)の乳製品輸出量は、生乳生産量の減少などを背景に主要乳製品はいずれも前年度を下回った。しかしながら、輸出額については、国際乳製品価格が高水準であったことから前年度を13.9%上回る28億8,165万豪ドル(2,997億円:1豪ドル=104円)となった。おもな乳製品の輸出量は下表の通りである。

  品目別の輸出量は、バターおよび脱脂粉乳・バターミルクパウダー(SMP/BMP)がそれぞれ2割以上減少したのに対し、チーズは前年比4.6%減と小幅な減少にとどまった。一方、輸出額については、全粉乳が前年度を34.9%と大きく上回ったのに対し、輸出量の減少率が大きかったSMP/BMPについては4.5%の増加率にとどまった。また、輸出量を輸出額で除した輸出単価については、22.7〜54.7%高といずれも大幅に上昇した。

  近年の輸出量の動向を見ると、全粉乳の減少が顕著で、2001/02年度から2007/08年度の6年間で43%減少している。

乳製品輸出量の推移


牛乳・乳製品の国内消費量は引き続き増加

  乳製品輸出量が減少した要因としては、まず生乳生産量の減少が挙げられる。DAの資料によると、2007/08年度5月までの豪州の生乳生産量は、前年同期比4.6%減の895万8千キロリットルとなっている。また、別の要因として、豪州国内における牛乳・乳製品消費量の増加がある。2007/08年度5月までの豪州における飲用乳販売量は同2.3%増の200万7千キロリットル、チーズについては同3.9%増の21万6千トンといずれも増加傾向を維持している。

  DAでは、この結果、生乳生産量に占める国内消費量の比率が、2007/08年度にはこれまでの50%から55%程度に上昇すると予測している。

乳製品輸出量および輸出額


2007/08年度の牛乳・乳製品の小売価格は、12.1ポイント上昇

  豪州統計局(ABS)は7月23日、2008年6月期(4月〜6月)の消費者物価指数(CPI)を公表した。これによると、CPIは食品全体で0.1ポイント下落したものの、牛乳・乳製品は2.8ポイント上昇し増加傾向を維持した。2007/08年度についてみると、食品全体で3.9ポイント上昇したのに対し、牛乳・乳製品では12.1ポイント上昇しており、牛乳・乳製品は食品の中でも最も高い上昇率となっている。

 近年、豪州では牛乳・乳製品の消費量が増加傾向を示しているが、この要因としてレストランやカフェといった外食産業での需要の増加が挙げられている。しかしながら、カフェにおいても、こういった急速な牛乳価格の上昇や人件費の上昇などにより収益性が低下してきており、今後の牛乳・乳製品の消費動向に影響を及ぼすことが予想される。

消費者物価指数の増減率


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