需給動向 海外

◆ブラジル◆

2008年の鶏肉生産量、輸出量とも過去最高を記録


◇絵でみる需給動向◇


生産量は過去最高の2007年を上回る1,103万3千トン

 ブラジルブロイラー用ひな生産者協会(APINCO)によると、2008年のひなふ化羽数は、海外での鶏肉の需要が好調であったため、2007年からの増加傾向が続き前年比6.1%増の54億6,850万羽となった。

 また、生産量(骨付きベース)は、過去最高の2007年(1,030万5千トン)を7%上回る1,103万3千トンとなった。このうち、68.9%の759万6千トンが国内市場に向けられた。

輸出量は326万8千トン

 ブラジル開発商工省貿易局(SECEX)によると、鶏肉輸出は2006年に特に欧州で発生した鳥インフルエンザの影響による鶏肉需要の減退から、98年以来8年ぶりに減少に転じたものの、2007年から需要が好転し、2008年に入っても9月の米国に端を発する国際金融危機の影響が見られるまでその傾向が継続した。

 2008年の鶏肉輸出量(骨付きベース)は、主要輸出先である日本や香港、サウジアラビアなどの国で軒並み増加したことから、過去最高の2007年(300万7千トン)を8.7%上回る326万8千トンとなった。これを形態別に見ると、パーツが全体の59.1%、丸どりが40.9%の割合となった。

 輸出先別数量では、昨年首位であった丸どり主体のサウジアラビアに代わってパーツ主体の日本が前年比27.2%増の42万1千トンとなった。次いで、日本と同様パーツ主体の香港(同16.5%増の41万5千トン)、サウジアラビア(同4.9%増の39万6千トン)などとなっている。4番目の輸出先となったベネズエラは、同97.8%増の31万7千トンとなったが、国際金融危機の影響により石油価格が大幅に下落したことから、2009年においては需要の減少が予測されている。

 また、輸出額もこのような輸出量増加を反映して、前年比38.0%増の58億2,000万ドル(5,703億6千万円:1ドル=98円)と大幅に増加し、平均輸出価格は、同26.7%高の1トン当たり1,770ドル(17万3,500円)となった。

ひなふ化羽数の推移

 

2009年の輸出量は第2四半期から回復し、前年比5%増の見込み

 国際金融危機の影響などを受け、ブラジルの2008年の11〜12月の鶏肉輸出は、数量で前年同期比15.7%減の44万7千トン、金額で同12.9%減の7億1,700万ドル(702億7,000万円)と減少した。輸出量の減少と併せて国内の鶏肉価格も低下傾向であったことから、ブラジル鶏肉生産輸出業者業界(ABFF)は、2009年3月までにひなふ化羽数を4億羽まで削減するよう各鶏肉パッカーに要請した。この結果、2009年2月のふ化羽数は、前年同月比4.0%減の4億1,100万羽まで減少した。

 2009年1月の輸出は、数量で前年同月比0.5%増の24万3千トンとなったものの、金額で同11.5%減の3億3,700万ドル(330億3,000万円)となった。業界関係者によれば、2009年第1四半期の鶏肉輸出量は、前年同期比16.0%減の66万トンになると予測している。しかし、第2四半期以降、中東諸国向けの輸出が石油価格の下落による牛肉からの代替需要により回復することに加え、マレーシアやフィリピンなどの輸出増加が期待できることなどから、最終的には2008年に比べ5.0%増の343万トンになると予測している。

国別輸出量の推移
 
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