需給動向 国内

◆鶏 肉◆

在庫調整進まず、卸売価格は低迷


◇絵でみる需給動向◇


 農林水産省「ブロイラー卸売価格」などによると、21年度(4〜5月)のもも肉とむね肉の卸売価格(東京)の合計価格はキログラム当たり802円となり、前年度の平均価格より同219円安となった。また、6月の速報値によると、合計価格は801円(同26.0%安)と、4〜5月と同水準となっている。内訳をみると、もも肉はキログラム当たり587円(前年同月比20.6%安)、むね肉は同214円(同37.3%安)となり、特にむね肉の価格が低迷している。

 このような価格の低迷は、輸入品を中心に在庫調整が進んでいないことを反映している。当機構調べの推定期末在庫量を見ると、5月の輸入量が32千トンと4カ月ぶりに3万トンを上回ったことや、輸入品の主な仕向け先である外食の需要が振るわないことなどから、前年同月を32.1%上回る156千トンとなった(図4)。

 一方、国内の生産については、農林水産省「鶏ひなふ化羽数」によると、国産鶏肉の相場低迷などにより減産傾向にあるため、2カ月連続で前年同月を下回って推移している。以上のことから、消費の冷え込みをうけ、特に、輸入品の在庫量が今後さらに増加することが見込まれているため、卸売価格の低迷が懸念されている。

図4 鶏肉の期末在庫量及び卸売価格の推移

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