需給動向 国内

◆鶏 肉◆

鶏肉のむねとももの部位別の価格差が拡大


◇絵でみる需給動向◇


 農林水産省「ブロイラー卸売価格」ほかによると、21年9月の国産鶏肉のキログラム当たりの卸売価格(東京)は、もも肉592円(前年同月比16.0%安)、むね肉207円(同42.0%安)となった。また、10月の速報値によると、もも肉610円(同12.1%安)、むね肉205円(同42.7%安)となり、もも肉とむね肉の価格差は400円を超えた(図3)。

 価格差が拡大した要因を見ると、もも肉は安価な輸入鶏肉との競合により、昨年に比べ依然として低調に推移しているものの、加工向けを中心にクリスマスなどの年末需要や鍋物需要があること、さらに外食向けも国産として安全・安心もPRできることなどにより、需要が増加しているものと見込まれる。

 一方、むね肉については、夏場の冷涼な天候による増体により、供給量がもも肉に比較して増えていることにより、価格が弱含んだとみられ、もも肉との差が400円を超えるのは17カ月ぶりである。

 輸入品については、加工や外食向けが中心であったが国産品の相場が影響し、9月は2万8千トン(前年同月比20.1%減)、21年度上半期の累計は16万7千トン(同25.3%減)と昨年度に比べ大幅に減少し、国内生産量が微減する中、先行き、需給は引き締るとの見方もある。

 国内ではもも肉の嗜好性が高いものの、消費者の低価格志向と相まって、今後国産むね肉の消費拡大が期待される。

図3 国産鶏肉の卸売価格(東京)の推移

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