需給動向 国内

◆鶏 卵◆

卸売価格の下落で、2カ月ぶりに価格差補てん金交付


◇絵でみる需給動向◇


 全農「畜産販売部情報」によると、21年10月の鶏卵卸売価格(速報値)(東京・M)はキログラム当たり184円と、前月に比べ4円値下がりした。鶏卵卸売価格は通常、夏場の需要低迷時に価格が下がり、その後年末に向けて上昇する傾向にあるが、今年の場合は9月に188円とピークを付けた後、生産量の増加などから 10月は下落に転じた。これにより、鶏卵価格安定基金の価格差補てん金が2カ月ぶりに交付され、今年度は9月を除いて毎月発動されることとなった(図5)。

 鶏卵生産者は卸売価格の安定を図るため、計画生産を実施しているが、農林水産省「鶏ひなふ化羽数」では、9月の採卵用めすのひなえ付け羽数は958万羽と、前年同月を3.1%も上回っている。21年6月に農林水産省が行った生産意向調査結果から、大規模経営を中心に増産意欲があり、今後生産量は増加すると見込まれている。その一方で、外食向けや業務加工向け需要の落ち込みが想定されることから、農林水産省では、需要に見合った計画的な生産調整の取り組みが重要であるとしている。

図5 鶏卵卸売価格(東京・M)の推移

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