輸出ブランド

岩手県産黒毛和牛「いわて牛」、シンガポールへ輸出開始



 平成25年までに輸出額を1兆円規模に拡大するという目標の下、官民挙げての総合的な輸出戦略が推進されています。こうした中、各地の畜産物輸出ブランドについて、随時、本稿で紹介していきます。

 今月は、株式会社岩手畜産流通センターの岩手県産黒毛和牛「いわて牛」が、シンガポールへ向けて輸出が開始された事例を紹介します。

出荷式が開催され、輸出第1便が出発

 株式会社岩手畜産流通センター(以下「いわちく」という。)は、平成21年10月26日、岩手県産黒毛和牛「いわて牛」のシンガポール向け輸出第1便となる出荷式を行い、海外輸出を開始した。

 出荷式には関係者ら約50人が出席。「いわて牛」を積んだトラックの出発に先駆け、テープカットなどが行われた。

 第1便として県内で飼育されたA−4等級の黒毛和牛2頭分の高級部位(ロースなど)約80kgが出荷され、輸出取扱者であるJA全農ミートフーズ株式会社を通じ、成田空港→シンガポール・チャンギ国際空港と経由し、出荷から約1週間後には現地百貨店や外食店に並ぶ予定である。

 なお、今後の出荷予定としては、今年度は月3頭程度、来年度以降は月10頭程度となっている。

【シンガポールへの輸出第1便】

国内4カ所目の対シンガポール輸出牛肉取扱施設として認定、
今後はアメリカ向け輸出も視野に

 いわちくは、全農からの対米輸出の要請を契機とし、平成18年から牛肉輸出に向けた取り組みを開始、平成20年には、衛生管理水準向上のための施設整備を行うなど、対米輸出認定を目指し準備を行っていた。こうした中、平成21年5月のシンガポールでの輸出解禁の動向に合わせる形で申請を行い、同9月、日本における4カ所目の対シンガポール輸出牛肉取扱施設として認定された。

 同社では、最も基準が厳しいとされる対米輸出についても、「シンガポールへの輸出実績を重ねながら、来年度中の認定・輸出開始を目指し準備を進めたい」としている。

【シンガポールへ輸出される「いわて牛」】

「新たな販路開拓により、生産意欲の向上に繋げたい」

 いわちくは、北東北3県の共催による現地百貨店での「東北フェア」(12月)の開催など、「いわて牛」の販売促進活動に積極的に取り組む予定だ。

 同社企画管理課の佐藤課長は「シンガポールには既に日本から牛肉輸出が行われており、今後は産地間競争も始まるのではないかと考えている。弊社としては、岩手県と協力しながら、牛肉、米、水産物など、岩手を総合的に売り出し、知名度の向上を図りたい」と意気込みを語ってくれた。

 さらに、同氏は「国内牛肉消費の低迷により、特に高級部位の消費が落ち込んでいるが、輸出事業を推進し、新たな販路開拓を図ることで、生産者意欲の向上を図るとともに、(定期的な査察も行われるため)施設の衛生水準の向上に繋げていきたい」と話し、今後も輸出事業を推進していきたいとしている。

  協力:株式会社岩手畜産流通センター
      岩手県農林水産部流通課


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