需給動向 海外

◆米 国◆

鶏むね肉の卸売価格は回復の兆し


◇絵でみる需給動向◇


むね肉在庫は急激に減少するも、もも肉の在庫は高水準が続く

 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が公表した「Cold Storage」によると、ブロイラーの在庫は2008年は一貫して前年を上回って推移し、12月は前年同月を3.1%上回る34万7千トンとなった。

 これを部位別にみると、2008年のむね肉の在庫は一貫して前年同月を上回って推移しているものの、増加の程度は9月には前年同月を30.5%上回っていたものが、12月は3.9%と縮小している。(図1)

図1 鶏むね肉在庫と前年同月比の推移

 一方、もも肉の在庫も2008年は一貫して前年同月を上回って推移しているが、9月は前年同月を87.2%上回る水準に達した。12月のもも肉在庫は縮小しているものの、依然前年同月を35.0%上回る高い水準にある。(図2)

図2 鶏もも肉在庫と前年同月比の推移

 米国の鶏肉は、むね肉が主に国内に仕向けられるのに対し、もも肉は主に輸出向けの割合が高い。ブロイラーの生産量は生産者による自主的な計画生産により減少傾向にあること、またブロイラーは他の食肉に比べて安価で消費の落ち込みも少ないと考えられることから、むね肉の在庫は縮小していくと考えられるが、もも肉の在庫は輸出需要によるところが大きく、世界的な景気後退による需要の落ち込みも予測されることから、今後の動向が注目される。

むね肉卸売価格・もも肉卸売価格ともに上昇

 同省農業市場流通局(USDA/AMS)によると、むね肉の卸売価格は2008年3月以降前年を下回って推移している。9月には前年同月を27.2%下回っていたものが、1月は前年同月を2.3%下回るポンド当たり125.4セント(キログラム当たり252円:1ドル=91円)となった。これは、生産者による生産量削減の取り組みが功を奏したものと考えられる。(図3)

図3 鶏むね肉卸売価格と前年同月比の推移

 また、2月17日に公表された同省経済調査局(USDA/ERS)の予測によると、むね肉の卸売価格は、今後数カ月は生産量が減少することにより、上昇するとしている。

 一方、もも肉の卸売価格は、2008年前半は輸出需要に支えられ堅調に推移していたものの、10月に前年同月を下回って以降急落し、11月は前年同月を33.3%下回った。しかし、12月、1月ともも肉の卸売価格は上昇し、1月は前年同月を12.9%下回る同53.8セント(同108円)となっている。(図4)

図4 鶏もも肉卸売価格と前年同月比の推移

 もも肉は国内需要より輸出需要が大きいことから今回の卸売価格の上昇はブロイラー生産量の減少と直接は関係ないと考えられ、今後のもも肉の輸出動向が注目される。

 
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