需給動向 国内

◆鶏 卵◆

21年上半期の生産量、前年同期を下回るが、価格差補てん金は8カ月連続で交付


◇絵でみる需給動向◇


 農林水産省「鶏卵流通統計」によると、21年上半期(21年1〜6月)の生産量は、124万5千トン余りとなり、前年同期の127万1千トンに比べおよそ2%の減少となった。

 また、推定出回り量は、129万6千トンとなり、前年同期の132万6千トンに比べ2.2%の減少となり、景気低迷による消費量の減少が現れた結果となった。

 さらに、卸売価格は例年、正月需要の反動で1月が低迷しその後盛り返す傾向にあるが、今年も1月の低迷後、8月以降徐々に価格は上昇基調を取り戻しつつある(図7)。

 価格低下による鶏卵生産者の損失を補てんするための価格差補てん事業の21年度の基準価格は、19年度の飼料価格高騰を反映して引き上げられた前年度の191円に据え置かれたこともあり、すでに8カ月連続で発動し補てん金が交付されている。

 鶏卵生産者は卸売価格の暴落を防ぐための計画生産を実施しているところではあるが、農林水産省「鶏ひなふ化羽数」でも、前年度を上回るえ付けがなされている。不況による業務・加工用の需要減などから、消費量が減少する状況にあることから、需要に見合った計画的な生産調整の取り組みが重要である。

図7 鶏卵卸売価格と生産量の推移

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